第57話 平和
手を顔の前で強く握り、「平和」と想像した。家族がいて、笑顔があって、思い出があって、楽しくて、ずっとこのままがいいと思える日常・・・。すると、
「ブワァ」と強い風が吹き始め、ついには周りが見えなくなるほどにレイの周りで竜巻が起こった。レヴはいつの間にか姿を消していた。風が止み目を開けると、レイは現実の家にいた。
「あ、れ?」レイは自分が何故ここにいるのかわからず、呆然とした。
「レイ、畑を耕の手伝ってくれないか?」とレブンが声をかけた。
「え、あ、うん」レイはよくわからず、とにかく手伝おうとレブンに近寄った。庭にはキィダもいて、更にはテイラもいた。
「主人!植物を育てるのは意外にも楽しいですねぇ」とテイラは男には見えないようなほがらかな笑顔を見せた。
「テイラ、夢って今どうなってるの?」
「夢ですか?主人が願った通り、平和ですよ。王様になったのはカドラ様ですけどねー。でも安心してください。カドラ様は乱暴な魔人さえもしっかり言うこと聞かせるほど強いですから」テイラの横顔は言われてみれば、確かに男のような雰囲気があった。
「言われてみれば、男かも・・・」レイはポツリと思っていたことが口からもれてしまった。テイラは
「ッ!どこから・・・そのことを?」と手を震わせながら聞いた。
「あ・・・レヴ、さんから・・・」テイラは顔を赤くしながらすねた。
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