第39話 悪魔
「キャーハハハハッ!ワタクシヲツカッテクダサイ! ’’ダッカン’’ ッテトナエテ!」と女の声がした。
「えっと、ダッカン」すると時間が止まり、周りは灰色に染まり、
「バン!」とレイの目の前に現れた女は銀色の目をそっと開いた。女は真っ黒の髪で、両腕に銀色のブレスレットをつけていた。女は牙が見える程度に口元に笑みを浮かべて、
「こんばんは、主人」と言った。
「えっと・・・」レイには今、何が起きているのか理解できなかった。
「私はテイラ・ダッカン。思いの精霊に使えし悪魔です。何かしてほしいことはありますか?」とテイラは右手をレイに差し伸べた。
「キィダの呪いを解いて・・・」レイは試しに頼んでみた。
「ククッそのぐらいお安い御用」テイラは何かを企むような笑顔をして、
「ヒュルヒュル」と両手をクルクルさせた。すると時間は動き出し、風が吹きなおした。しかしカルデはテイラに気が付くことなく呪いを解こうとしていた。
「主人、’’ダイ’’と唱えください」
「・・・ダイ」すると鎖の中から銀色と金色の光が混ざりながらあふれていき、
「バリンッ」と鎖が壊れた。
「あ、れ?」とカルデは手を見つめた。
「どうしたの?」
「違和感があったんですけど・・・僕が呪いを解こうとしていたところに、何か別のものが混ざりこんで来たっていうか、その何かが呪いを破壊したっていうか・・・」とカルデ自身、何が起きたかわかっていなかった。
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