6

いろいろと昔を思い出していたら

櫂斗が私に小声で話しかけてきた。


「ふっ!紗羅久しぶりだな。相変わらずマヌケな脳みそしてるなぁ。普通気づくだろ?ぶつかった時に顔を見てるんだからさ」と櫂斗は言った後、私を鼻で笑った。


むぅぅぅ~~~!!ムカつくぅ~~!!

櫂斗のヤツ、私をバカにしてぇぇぇ!!!

すんご~~~く嫌味なヤツになってるし。

って言うか、昔からムカつくヤツではあったんだけど。

昔の+50倍くらいに成長?しちゃってるよ。

昔の櫂斗は、少なくとも今より数倍可愛かった。

イヤ、今も顔だけは綺麗なんだけど・・・って

なにを言ってる私~~~!!

男は顔だけ良くてもダメなんだって。

性格も良くなくっちゃあ。


って言うか、櫂斗は変わりすぎだ!!

背もあんなに伸びちゃってさ。

しかも、スタイルもいいし。

なんでこんなに、変わっちゃったんだか・・・。

そう思うと、昔の櫂斗って可愛かったんだなぁとしみじみ?思ってしまう私。


昔は私のことを紗羅ちゃんって呼んでたんだよね。

私も櫂斗君って呼んでた時期あったし。

でも、その後すぐに櫂斗って呼び始めたんだけどね。


そうだ!幼い頃・・・幼稚園の時かな。


ある約束をしたんだ・・・櫂斗と・・・。


櫂斗は覚えてくれてるかな?


あの日、いつものように櫂斗と公園で遊んでいた私。

今まで天気がよかったのに、急に雲行きが怪しくなってきて・・・雷が鳴り、猛烈な雨が降って来た。


「紗羅ちゃん、雨降ってきちゃったね・・・雷もすごいし・・・怖い?」と心配そうに言う櫂斗。


すごく怖かった私は


「うん・・・すごく怖いよぉ~櫂斗君」と言って櫂斗の手を握った私。


「実は・・・僕も怖いんだ・・・。でも、紗羅ちゃんのこと大好きだから守りたいんだ!!エヘッ」と恥ずかしそうに笑って言った。


「これから先も、ず~っと紗羅ちゃんの側にいて守ってもいいかな?」


「うん、櫂斗君ありがとう♪私も大好き♪」


「うん、じゃあ、約束だよ!紗羅ちゃん」


「うん、櫂斗君!!約束ね♪」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る