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「もしかして真奈ちゃん?」


真奈ちゃんとは夏奈の2つ下の妹で2人はとても仲の良い姉妹なのだ。


「うん。洋服買うからお姉ちゃん付き合って~♪って上目遣いで言われたら断れないでしょ?あの子超可愛いんだもん」


「確かに。真奈ちゃん可愛いもんね」


「でしょう?あんなに可愛いからすぐにでも悪い虫つきそうで心配なわけよお姉ちゃんとしては・・・」


「うん。それも分かる」


「あの子の彼氏になる子は私が見極めるわ」


・・・うん。相変わらず夏奈は真奈ちゃんに対して過保護だなぁ・・・。

まあ、あんなに可愛ければ過保護にもなるか・・・。


「じゃあ私は図書館行ってから帰る事にする」


「うん。じゃあまた明日学校でね~」

そして夏奈は帰って行った。


そして翌日・・・。


「咲樹今から図書館行くの?」


「うん。夏奈は真奈ちゃんとショッピング楽しんでね♪」


「うん。楽しんでくるよ~♪じゃあね咲樹」


夏奈と別れて私は図書館へ向かった。


図書館へ向かう道に桜並木があり、今の季節はちょうど桜満開。

近くに人はいないので桜を独り占めしている気分でとても心地良く、桜がとても綺麗で私は見とれていた・・・。


チクリ・・・!!



誰か私を見てる?

誰かの視線を痛い程感じる・・・。


恐る恐る振り向いて見ると、私と同じ歳くらいの少年がいた・・・。


「あの・・・私に何か?」


「・・・君は僕を覚えてないの?」と泣きそうな顔で少年は私に問う。


「・・・私達会った事あるんですか?」


「・・・ふっ・・・やっぱり覚えてないんだね・・・」


「・・・あなたをですか?」


「ああ・・・。僕は君を忘れたりしなかったのにね・・・遠い昔に僕達は出会ってたんだ」


「遠い昔・・・?」


・・・もしかして私の目の前にいる少年は毎日夢に見る彼なのだろうか?


「ああ遠い昔だよ・・・」


「私・・・毎日夢に見るんです・・・」


「どんな夢を見るの?」


「『・・・あの日の約束を覚えてる?・・・思い出して○○・・・君と・・・逢いたい』と夢の中で毎日少年が伝えてくるんです・・・その少年はあなたなんですか?」


「・・・ああ僕だよ。正しくは遠い昔の僕だよ・・・前野暁久まえのあきひさだった頃の・・・」


暁久・・・?暁久様!!!

名前を聞いた途端、前世まえの記憶がどんどん頭の中に洪水のように流れてきた・・・。


「暁久・・・?暁久様???」


「ああ。やっと思い出してくれたんだね?さき


その言葉を聞いた瞬間、私の体は勝手に動き暁久様の胸に飛び込んでいた・・・。


「暁久様、咲は暁久様にお逢いしとうございました」


泣きたくもないのに涙が溢れて止まらなかった・・・。


前世まえで私が愛したたった一人の人暁久様・・・。


どうして私は忘れていたの?

誰よりも大事だった、あなた・・・暁久様の事を・・・。

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