松坂城(日本100名城 No.48)
翌日の朝7時。
「起きろー!」
呼びかける声に、僕は目を開けた。
目の前に、上杉先輩が覗き込むようにして僕を見下ろしていた。
「あ…、おはようございます…」
僕は眠気を堪えなかがら、身を起こした。
「おはようございます、じゃなあいよ」
上杉先輩は呆れる様に言う。
「キミたち、一緒に寝てたの?」
「ええっ!?」
僕は、上杉先輩の発言に驚いて、横を見た。なんと徳川さんが僕のベッドの中で寝ているではないか!
徳川さんは僕のほうを見て笑っている。
僕は驚いて尋ねた。
「な、な、何でここで寝てるんですか?!」
「ひどーい。昨晩のこと忘れたの?」
「はあっ?! なにも覚えてないですけど?!」
「武田君、昨晩はあんなに激しかったのにー」
「いやいやいやいや、まったく身に覚えがないんですが?!」
僕と徳川さんのやり取りを見て、上杉先輩は腹を抱えて笑っている。
そうか。また、くだらないいたずらを仕掛けて来たんだな。
「まったく、こういう冗談はやめてください! 心臓に悪いです」
徳川さんは身を起こしながら言う。
「いや、なんか、武田君がいつも女の子と寝てるから、これぐらいじゃあ驚かないんじゃないって聞いたので」
「誰にですか!?」
「上杉さんよ」
「まったくのデマです」
上杉先輩は、まだ笑っている。
「あー、おかしい。涙出て来たよ。でも、この前、細川ちゃんと寝てたよね?」
「いや、それも上杉先輩が仕組んだ事じゃあないですか?」
「そうだっけ?」
「そうですよ…。本当にいい加減にしてください」
まったく、こういういたずらは辞めてほしい。
アホなことは、これぐらいにして、僕は女子たちを部屋から追い出して出発の準備を始める。
そして、1時間後の朝8時にロビーへ。
女子たちも集まってきている。
真帆が話しかけて来た。
「昨日、山登りした後、ライブで踊ったから足が筋肉痛だよー。純ちゃんは大丈夫?」
「うん。山城に行くのは慣れてるし、僕はライブに出てないからね」
「そっかー」
O.M.G.の他のメンバーも足が痛いとか言っている。
一方、徳川さんは、平気そう。
さて、一行は栄から地下鉄で名古屋へ。そこからJRで松阪まで移動する。
今日は、“青空フリーパス”というきっぷを使う。
土曜・休日及び年末年始に2620円で、名古屋に中心としたJR東海の路線が多くが乗り放題となるきっぷ。
今日は、松阪の松坂城、岐阜の岐阜城をみるのだが、“青空フリーパス”ですべて賄える。
8時37分発の“快速みえ”に乗る。
10時前には松阪駅に到着した。
さらに、駅からは徒歩15分程度で松阪城に到着できる。
今日のお城は駅チカなので、助かる。
松坂城。
蒲生氏郷によって1584年に築城された。
氏郷は小田原合戦の戦功により会津若松城に封ぜられ、松坂城を後にする。
その後は、服部一忠、古田兵部少輔重勝、大膳亮重治が在城。
1619年に和歌山入りした徳川頼宣の紀州藩領となった。
天守は1644年の台風によって倒壊したと伝えられる。
現在でも立派な石垣が残っており、城跡公園として近隣住民に親しまれている。
天守台に登れるのだが石垣には柵がなく、うっかりすると転落しそうになるので、気を付けよう。
お城を堪能した後は、一行は駅まで戻って来る。
そして、駅の近くで昼食を食べる。
松坂牛を食べたいところだが、高いので却下。
普通に定食屋さんでご飯を食べた。
昼食の後は、次の目的地の岐阜城へ向かう。
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松坂城の情報
https://www.matsusaka-kanko.com/information/information/matsusakajyousek/
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