《エピローグ》的当教授の意味

的当まとあて教授を倒した事により、世界は呪いから解放された。復興は難なく進み、一月後には元の機能を取り戻した。的当教授が、引き起こした事件については当人とうにんが死んだため、責任は呪いを振りまいていた大手飲料メーカーに向けられた。その結果、メーカーは解体、上層部の人間には重い罪が課せられた。


当然、僕にも責任は向けられ、今こうして処刑台の上に立っている。


「理不尽だねぇ。的当に近かっただけで死刑になるなんて…本当に未練は無いのかい?」

僕の死刑執行を担当するであろう、初老の警察官が話しかけてきた。

当然未練はある。僕にも叶えたい夢があるし、待っている人も沢山いる。


でも、僕は的当教授の事を間近で見ていた。

彼女との講義、彼女との雑談、彼女との呪縛…だから、彼女の事はよく分かっている。


今思えば、的当教授とはこの世の『悪』そのものだったのかもしれない。


だから決めた。僕の手で的当教授を空想上の存在にする。それが、唯一世界のためにできる事だ。


「早くやってくれ。」

僕は自ら自分の首に縄をかけた。


「そうか…せめてあの世では報われてくれよ。」

警察官は押ボタンに手をかけた。その手はプルプルと震えていた。


ガコン…


静寂の中、静かに僕の体は宙吊りになった。

薄れゆく意識の中、僕は的当教授と一つになれた気がした。


〜完〜


ーーーーーー

これにて完結になります!

今まで応援ありがとうございました!

良かったら自分の他の作品も見ていってください!


最強とされる冒険の書は呪われていた!〜この冒険の書には500文字しか書けません!!〜

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