《エピローグ》的当教授の意味
当然、僕にも責任は向けられ、今こうして処刑台の上に立っている。
「理不尽だねぇ。的当に近かっただけで死刑になるなんて…本当に未練は無いのかい?」
僕の死刑執行を担当するであろう、初老の警察官が話しかけてきた。
当然未練はある。僕にも叶えたい夢があるし、待っている人も沢山いる。
でも、僕は的当教授の事を間近で見ていた。
彼女との講義、彼女との雑談、彼女との呪縛…だから、彼女の事はよく分かっている。
今思えば、的当教授とはこの世の『悪』そのものだったのかもしれない。
だから決めた。僕の手で的当教授を空想上の存在にする。それが、唯一世界のためにできる事だ。
「早くやってくれ。」
僕は自ら自分の首に縄をかけた。
「そうか…せめてあの世では報われてくれよ。」
警察官は押ボタンに手をかけた。その手はプルプルと震えていた。
ガコン…
静寂の中、静かに僕の体は宙吊りになった。
薄れゆく意識の中、僕は的当教授と一つになれた気がした。
〜完〜
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これにて完結になります!
今まで応援ありがとうございました!
良かったら自分の他の作品も見ていってください!
最強とされる冒険の書は呪われていた!〜この冒険の書には500文字しか書けません!!〜
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