愛の記憶

愛することを知っているひとは

それだけでとても幸せだ

愛しいものを想う時

その表情は柔らかくなり

心からは喜びが溢れる

自分が優しいものになれた気がする


もしも愛を失ったとしても

確かにあった愛の時間だけは

誰にも奪えばしない

その時は泣き叫んで胸の奥深くに

鍵をかけて閉じ込めても

時間が懐かしいセピア色にしてくれる


愛の時間を知っているだけで

それが、ひとであっても

音楽であっても美術であっても

文学であっても、何でもいい

愛という感情を知ることができたら

それは、とても幸せなこと


例えば、世界が冷たく歪んでも

いつも愛だけは心に抱きしめていよう

愛の記憶を忘れなければ

愛することを知っていれば

わたしたちは、きっと

また歩き出すことができるから

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