昏い羊

狼になれるはずもなく

羊でいるには昏すぎて

白い輪郭、保てない


毛並みは、すっかり薄汚れ

こうべを上げて哭いてみたとて

遠吠えひとつ出来もせず


イイヒトでいるほどに

心が澄んでいるわけもなし

さりとて

開き直って生きるほどの

潔ささえ貫けず


わたしは昏い羊


メェーとないても、その声は

ただ薄闇に消えていくだけ


それでも

なくことを止められない


狼になれるわけもなく

羊でいるには澱みすぎて


それでも

薄闇の中、生きる


わたしは昏い羊

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