あの雲は、どっかいった

目の前の空に浮かんでいた

モコモコしたパンみたいな雲

ちょっと見ないうちに

どっかいっていた


ああ、そうだよね

雲は旅している

ひとつところには落ち着かず


自由に空を往くのは

気持ちいいだろうなぁ

何にも縛られずに

行きたい方へ好きなだけ


けど、寂しくはないのかな

自由だってことは

孤独も共にあることだから


どっかいった雲は

今頃、どこの空にいるんだろう

いつかいた空に残してきたものを

想うことはあるのかな



あの雲は、どっかいった

きっと知らない空を今も巡っているだろう


地で生まれ地に根を張り

空を見上げ雲に憧れつづけて

それでも地を慈しみながら

その場所で生きているものたちの分まで



きっと


雲は世界の果てまで旅をしている

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