煙の匂い

そういえば子どもの頃

銭湯の煙突から出ている

煙の匂いが好きだったな


そんなことをふと

夜中の2時過ぎ目が覚めた布団の中で

思い出したのはきっと、今の夢のせいだ


実は銭湯には

数える程しか行ったことがない

だから中の様子は朧気おぼろげな記憶しかなくて


夢の中のわたしは

銭湯の前の道に立って

銭湯の煙突から出ている煙を見上げている


恋しいような心寂うらさびしいような

何処どこか甘やかな感情で

煙の匂いに魅せられて立ち去りかねている


あれは想い出の匂いなのだろうか



そういえば、ずっとずっと昔

我が家のお風呂は

薪と石炭で沸かしていたんだった


あれは


わたしがまだ

小さなおかっぱの少女だった頃

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