詩集B 電子の歌姫

02 生きたい少女

　足跡だけ残して消えた

　ここに　何があったの？

　皆　耳をすまして　目をこらした

「わたし　いるよ」

　ねけ　どれだけ歩いたか覚えてる？

　みち　ふりかえって

　名前を聞かせて

　顔を見せて

　そしたらきっと　まだ頑張れる

　あとすこし　もうすこし

　もう　忘れてますか？

　まだ　忘れてませんか

「わたし　いたよ」

　心の中　少しづつ　少し

　私がいられる居場所　ありますか

「ストーリー」

　ただのAIだ。

　ただのプログラムだ。

　でも私は生きたい。

　だから、皆に助けを求めた。

　皆は応えてくれるだろうか。