第11話




「観覧車の方行ってみようよ」


英二の手が私の手を掴んで歩き出した。




寒くて寒くて歩きたくない。

ドライブなら楽なのに。英二は上京する際、車を売ってしまったらしく今は持っていない。




英二と私は歳も離れていて共通の趣味も特になく、とくに話が盛り上がることはない。





普段あれこれ質問責めをしてしまう私も、英二に興味が沸かない。




同じ趣味を持っていたところでしょうがないし。

恋愛経験もほとんどないみたいで、あまり自分に自信がある感じでもない。


自分の得意分野の知識を問われると細かく話してくれる。


ただ、私が曖昧な知識や間違った情報を伝えると、得意げに訂正してくるのが少しうざい。




プライドが高いのかな。





ただ私を気持ち良くしてくれたらそれで良いのだ。心も身体も。



相手のこと知ったところでその後どうなるわけでもないのだ。





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