「買ったんだ、中古だけど」2021年5月26日夜②

ご飯を食べ風呂入った後、パソコンを開くとラインが来てたのに気づいた。


ラインで母さんとこれからのことを話そうと思う。

そこで思い切って、ある提案をしよと思う。


「あのさ借りたとこ、広いからさ俺が落ち着いったら、こっちこない?二人さ」


『なんで?』

『駅から遠いと舞子、困るよ』


たしかにそうだ。舞子は今、大学1年生だ。かなり離れた大学に通ってる。

だから、私鉄の本線で特急の停まる駅に近い方がいい。


「だって平気な顔して265万盗む人なんだよ」

「駅は近いと思う、松広なんだけど」


言った地名は、自転車で特急停車駅に行ける範囲の地名。


『松広って、駅から離れてるじゃん』


でも母さんは歩きでって、考えてるぽい。


「歩きは遠いなたぶん、、、」

「自転車でも遠いか?」


『さすがに遠いわ』


ま、、、俺の距離の物差しは少し違うから、ほかの人だと遠いのかもしれない。

俺は常に自転車で移動しているので、自転車でちょっとそこまでの範囲が広い。


「今後、この真実知ってから居れる?」

「気持ち的な問題でさ」


『問い詰めたらなんて答えるかな?』

『どうする?』


「とりあえず、俺が避難してからしたければしていいよ」

「気のすむまでやった方がいい」

「白黒はっきりした方がいい」


『避難って、あんたがいなくてどうすんのさ、被害者はアンタなんだよ』


「俺さお金は帰ってこないもんだと、割り切ってる」

「いい勉強代ってさ」


『それは、そうかもね』

『長くかかるかもしれないけど、私が働いて返すわ』


「いいよ、そこまでしなくても大丈夫」


『申し訳なくてさ』


「俺が稼ぐし」


『ごめんね』


「気にしないで、なーなーにしてたツケやからさ」


『ここにいる時よりも成長したね』

『一人暮らし、させて良かったわ』


「最悪、訴えることも視野にはいれてるけどさ」

「そうすると色々まずいというか、、、だからさっきの提案になった」


『訴えるんだ、問い詰めるの無し?』


「迷ってる」

「いろんなこともろもろ見て決める感じ、だって265万だよ?」


『17カ月で265万は大きいわ』

『私が2年で働いて、やっと稼げる金額』


「でしょ?」

「母さんはどうしていきたい?」

「俺が行動することで影響受けるのは、俺だけじゃない」

「だから、俺の感情のみで動けない」


『色々、不信感があるのを少しでも取り除きたい』

『彼の通帳の金額、お金の使い方、そのへんがずっとモヤモヤしてるんだ』

『一応、今後も働いてはいくだろうと思う』

『展開によっては、切り詰めた生活を送るかもしれない』


「だからさ、来ないか?って聞いた」


『松広じゃ、無理だって』

『舞子は、ここの家を拠点に色々と計画を立ててるところなんだわ』

『9月には研修もあるし、7月には、オープンキャンパスの手伝いをするし』

『私も手作りキット、減らすように、作り続けてるところ』

『去年、捨てたものもあるし、作り上げたものもある』


「一つの手として頭に入れておいて、二人増えても暮らせる広さだからさ」


ここで言ってしまおうか、、、どうせいつかバレるし、、、

間取りの図面を送ったから、分かるし、、、


「借りたじゃなくて、実は買ったんだ、中古だけど」

「びっくりさせるつもりはなかったけど、いつかバレるので今言います」


『誰が保証人なったん?ローン、何年?家?なぜ、今買う?』


「順番に答えるね」

「保証会社だから、保証人はいらない」

「35年6万だけど、住宅ローン減税で13年間は4万」

「固定資産税が年10万、4期で割るから、3カ月ごとに2.5万」

「だから3か月で20万ぐらい」


『なぜ?今、家?』

『家が古いってことは、なおすところが、そのうち出てくるってことだよ』


「心配だろうけど、色々な制度を確認した上でやってる」

「直すとこも出てくるだろうけど、一応10年間は補償する制度がある」

「10年後とかは今と違って、収入も安定してるだろうし」

「賃貸って自分のものにならなし、買っちゃえば自分の家になる」

「今、金利低くなってるから賃貸とそう変わらないお金で広いとこに住める」

「正直、家族みんな敵と想定した場合、借家だと大家経由で侵入さられるし」

「今回の場合でも、今後一緒に住めるかって言ったら、そうじゃないでしょ?」


『若いっていいわ』


「そっか?」


『今の年齢からだと、そんな冒険もできない事だわ』


俺には分からない感覚だ。きっとそうなんだろう、、、


『あのさ、あんた生涯独身でいるつもり?』

『私ら呼んだら結婚は無理だよ』

『家族で住める広さじゃないもん、この間取り』


下手に誤魔化すより正直に言うべきだろう、ここは


「俺、結婚しなくていいかな、正直もう、こりごり」

「親父といい、アイツといい、もうこりごり」

「結婚って何だろうって思うだよ、しなちゃいけないものかってさ」


『私が悪かったわ、米美にそんな思いさせてしまって、本当にごめんね』


「だから落ち着いたら、いつでも来ていいよ」

「待ってる」

「いいよ気にしてない、家族が笑顔でいれたら、俺は嬉しい」


『本当にごめんね、申し訳ない』


「うん、気にしてないからさ、母さんは自分を責めないで」

「運が悪かっただけさ」

「俺の幸せは家族が笑顔でいること」

「学生時代は色々やってすみませんでした、反省してる」


『色々大変だったわ』


「うんごめんなさい」


『米美が決めたことならそれでいい、心配だけど見守ることにする』


「分かった、ありがとう、アイツのことは母さんに任す」


『とりあえず今の生活は、舞子が卒業しない事には、動けん』


母さんの悪い癖だ、、、一人で抱え込もうとしてる。

舞子のことも、、、


「舞子と母さん、二人で決めて」

「舞子も子どもじゃないし大人とは言いきれんけど、ちゃんと考えれると思うから」


『このLINEしてて舞子も驚いてた、彼が米美のお金を使い込んでたこと』


「でしょ?」

「だから舞子もどうしたいかって気持ちがあるはず」

「このまま生活していきたいか、したくないかって」

「難しいと思うけど、母さんだけで決めることでもないと思う」

「今すぐに決めることじゃないけど」


『分かった』


「舞子もバイトすれば、お金のことは分かってくると思うし」


『そろそろ、風呂入ってくるわ、明日、仕事だし、弁当も作らんといかんしね』


「おやすみ」



とりあえず、決意は伝えた。あとは二人が決めることだ。

ひと段落ついたから、今日は少しは寝れそうだ。

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