「母さん、俺の口座通帳記入したの、いつ?」2021年5月26日昼

口座残高確認後、あまり眠れずに、眠いまま出社。

いつも能天気キャラで元気な俺を心配した所長と事務員さんが聞いてきた。


「どうしたの?顔色悪いわよ」

「死にそうな顔しやがって、いつもの元気はどうした?」


俺はこらえきれず口座から263万が消えてたことを打ち明けた。

相談に乗ってくれた事務員さんは、定年退職後再雇用の人生の大先輩。

そんな事務員さんは俺の話を聞いて


「一度、お母様に確認したら?」

「無関係かもしれんしさ、、、」


とアドバイスをくれた。



昼休み、許可をもらい母さんに電話した。


「もしもし」


『どうした、平日のこんな時間に、、、』


めったに昼間に電話を掛けないので、かなり不思議がってた。

声を低くして重要なことを聞くように


「通帳を記入したの、いつが最後?」


『ここ1年以上言ってない』

『近くの銀行潰れちゃってさ、なかなか行けなくって最近全くしてない』


これを聞いて、この事件はアイツの単独犯だと確信した。

口調とかの変化が全くないので、自然な感じだった。

母さんは俺と同じでウソがつけない人間なので、分かりやすい。


「母さん、落ち着いて聞いて」


『えっ、なに?』


「俺の口座から265万ほど、なくなってる」

「俺の使ったお金じゃない」


『まさか、彼が使ってるってこと?』


「そう!」

「詳しいことは仕事終わってから話す」

「混乱してるかもだけど、俺、仕事で時間ない」


『うん、分かった』

『米美の通帳は、私持ってるから探しとくね』


「仕事終わったら、連絡するわ」


『仕事頑張ってね!』



こうして、俺は休憩を終えて仕事をしだした。

ガムシャラに忘れるように仕事をした。

それはそれで、所長が心配した。

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