奇術

 やあやあ、少年少女たち。今回もお集まり頂き有難う!

準備は良い?


「さあ、始めましょうか」


僕と君だけのマジックショーさ。

しかし、君の手品を見ると、笑えてくるよ。


歩み寄る影。

無駄さ、そこに居るのは知っている。


右 右 右 左 左 左

前 後 前 後 後

上 下 下。


おや…この程度かな?昔の僕の手品は。

こんなの、基礎の「き」の文字をなぞっただけさ。


人形か…


面白い、手品らしい手品を覚えたようだ。


「でも」


まだまだだな。君たちに僕は越えられない!

そうだろう?


過去の僕は、現在の僕には勝てないさ。

嘲笑ってあげよう。勝てると思ったのかい?

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