3 大型船の船底はなんで赤なの?

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3 大型船の船底はなんで赤なの?


まだ飛行機がなかった時代、地球の7割も占めている大海原を航海していた


船!


今日この「船」は国と国を繋ぐとても重要な移動手段となり、現在は人や大量の物資を運ぶ手段として多く利用されています。


「でもちょっと待って、大型船の船底はなんで赤なの?」


今回は「大型船の船底が赤い理由」について見てみましょう。



モノや資源を運ぶ船を「貿易船」と呼びますが、輸出大国と呼ばれる日本ではこの貿易船が貿易の99.8%を占めています。


これらの大型船の貿易船を見てみますと、船体の色は白や黒などさまざまですが、

何故か船底の色は世界の国々がみんな約束でもしたようにほとんど赤く塗られていることが分かります。


これって世界的な決まりなんでしょうか?


某人気アニメの設定のように海洋生物の襲撃から船を守るためでしょうか。



船底の色が赤い理由は船舶用塗料に含まれている成分にその答えがあります。


この塗料には<化学式 Cu2O> 亜酸化銅という赤色の粉末顔料が含まれているからです。


これを「防汚塗料」と呼びますが、防汚塗料の役割は大きく2つあります。


1つは水生生物の付着妨害で、

もう1つは海洋生態系の維持です。


防汚塗料はフジツボや牡蠣、アオノリなどの水生生物が船底の表面に付着すると、

表面のペイントが少しずつ剥がれて付着した水生生物ごと剥がします。


そして剥がれたペイントが海底に沈み、化学物質を放出して水生生物の繁殖を妨げます。


船底に付着した水生生物は船の移動とともに他の海に流入されますが、これが生態系を破壊する原因になるそうです。


本来、船の下にはTBTという塗料を使っていましたが、TBT(トリブチルスズ)等を含む有機スズ系船舶用塗料(TBT船舶用塗料)は海洋生物へ悪影響を与えるといわれ、

2001年に国際海事機関(IMO)によってTBT塗料の使用が禁止されました。


そして日本は2003年からTBT塗料の使用をやめて今の塗料を使用するし始めたのです。


このように外航船や内航船には赤い防汚塗料を塗っているわけですが、

もし防汚塗料を塗らなければどうなるのでしょう?


船底の表面にフジツボのような水生生物が付着すると、船の重量が重くなり、水流の抵抗も増殖するので、船のスピードが低下し燃費が悪くなります。


そして船の表面も粗くなります。


一般に貿易船の燃料費は運行費用の60~70%もするのですが、船の表面が0.01mm粗くなるほど燃料消耗が0.3~1%まで増え、経済的に損失が大きくなります。

「これは塗らないとですね…」


このような不利益を避けるために赤い塗料を塗っているのですが、実は船底が全て赤いわけではありません。

青、白、黒などの色もあります。


でもこのような色に変えるには塗料の成分まで変わってしまうので防汚効果が落ちるそうです。


防汚塗料は赤のままが一番強力らしいですよ!


もし赤じゃない大型船を見かけた方がいましたらコメント欄に残してください!


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本日の3分である意味賢くなるインフォはここまでです。


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