(4)市場でデート的なヤツ
歩くこと少し、リエリの道案内に従って学園都市を進むと確かに市場が見えてきた。
露天バザーみたいだな、人間だけでなくエルフや獣人、それにドワーフ。それ以外にも名も知らない様々な種族が行き来している。
「それでは何を買うんですか?」
「はいっお菓子はユーリ達が用意してくれますが、今回のお茶会はそのベーネと言う者を招待するんですね?」
「はいっそうです」
もちろんベーネちゃんには秘密のサプライズだ、彼女には適当に晩ご飯にお誘いしてある。
「和達は普通に晩ご飯の材料とこの世界に普通に売られているお菓子を買っていきましょうか」
あの青ウェーブが聞いたら文句を言いそうな事をリエリが言ってる。
けど中年もこの学園都市のお菓子、食べて見たいかも。
「それではそれを買いに行きましょう」
「はい」
そして人ごみを歩く、流石にここは夏祭りや渋谷のスクランブル交差点に比べれば大分動き安くて助かるな。
ある程度進むと確かにお菓子の類いが並べられた店が並んでる場所に出た、どんな物があるかを見てみる。
……イモムシの形をしたキャンディー?。それにドワーフ人形の綿飴?。
流石は学園都市、変なのばっかである。
「すみません、このドラゴンチョコレートと言うのを、見てもいいですか?」
「良いぜ?けどそれは自分より弱いヤツが食べようとすると返り討ちにされるぜ?」
チョコレートに返り討ちにされるってなんだよ。ここのお菓子ふざけてんのか。
「すみません、このトレントの樹酒入りのチョコをお願いします」
「はいよ!お姉さん美人だからオマケにこれもつけるよ!」
リエリに渡されたオマケはイモムシの形をしたキャンディーだった。リエリは収納魔法で速攻で消してしまった。
「ありがとうございます、後でいただきますね」
「おうっそれじゃあな!」
それからもお菓子の類いを買ったり晩ご飯の材料を買ったりで市場を移動していく。
リエリは常に情報収集を欠かさない、それはこの学園都市でも同じである。
つまりこの買った材料で作れる料理も既に調査済みだという事だ。本当に有能な美人秘書である、料理が秘書の仕事な訳ないとは分かってるけど。
そして買い物を進めていく、すると周囲の視線がリエリに集まるのが分かった。
まぁこのレベルの美人なんて早々この学園都市でも居ないからな、イオちゃんとかくらいである。
好みによるがラーベス学園長も美人だったな、他にも何人かあの入学式の時に並んだ教師陣の中にかなりの美人さん達がいた。
出来れば中年はそんな先生が担当する授業だけを受けたい。
……いやっ出来るぞ?ここって単位っというか専攻の成績と単純に実績を見せれば学園を卒業する事は出来る筈だ。
中年のチート魔法なら結構専攻する授業を絞っても何とかなるかも知れない。
これは希望が見えてきた、理想の学園生活への希望がねフッフッフッ……。
「それでは行きますか」
「……………はい」
リエリの視線が痛い、もしかして中年のスケベ心のを見抜いているのかも。
流石に今はリエリとお買い物中だしな、スケベ心は封印だ。
そしてその日はリエリとお買い物デート的な物を満喫した。
お金はあるけど変なのは買わない様にする、それとリエリがやけにオマケを貰っていた、それにも慣れているのか普通に対応していたリエリ。
中年はそんなオマケは貰った事なんてないよ、まぁフツメンだし仕方ないのかもな。
「ご主人様、これだけあれば晩ご飯には十分だと思います」
「分かりました、それなら魔法部屋に戻りましょうか」
そして市場を出て一目がなくなったあたりで転移して魔法部屋に向かった。
心に少しダメージを中年は勝手に受けたお買い物は終わった。
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