(4)空賊退治終了
◇◇◇緊急脱出部屋・青野視点◇◇◇
「……ふうっこれでお終いだな」
空賊、こんなゴツくでデカくて怖い連中に絡まれるのもこの世界に来て何度か経験した。
全く慣れないわ、普通に怖い。戦えば勝てるのは分かってるけど怖い、どこぞの星の人間は、自分より大きな生物に好んでケンカを売るような事は本能的に拒否する様に出来てるんだよきっと…。
異世界転生してチート……いやっ確か元から私が持っている魔法関係の才能?ってのを開花させてくれたんだったっけ?。
魔法が存在しない世界でそんな途方もない魔法の才能を持ってるなんてって、私を転生させてくれたあの青い太陽みたいな存在から小バカにされた事は今でも覚えている。
まあ実際に使うと、魔法でこの空賊達が私が乗ってる飛行艇を襲おうとしてる事が分かったり。
空賊の飛行艇の中の連中を魔法で覗いてその戦力や人数を分析出来たり。
空賊の飛行艇に一瞬で
正にチート魔法である、反則みたいな魔法ばっかり持ってる私だ。ちなみにこのオッサンを殴り飛ばしたのは私の素の身体能力である。
それもほぼ超人みたいになってる、異世界転生って凄いのな。一応この世界モンスターとか人間でもそうだけど戦って勝つと経験値とか貰ってレベルアップして強くなれるシステムが世界に実装されている。
まあステータスオープン!って叫んでもウィンドウなんて出ない、頭がおかしい人に見られるだけだし。自身の能力を数値化してくれる便利アイテムなんてのもない。
そんなアイテムがある世界なら、HPって表示がゼロになったら本当に人が死ぬのか気になるよな。
毒とか喰らうと本当に数字がどんどん減っていくのかね?後二日酔いの時と健全な時でステータスの数字に変化とかないのか見てみたいもんである。
おっと話がそれた、私がこの連中をボコった理由は単純だ。
ファンタジーな乗り物での空の旅、そんなのをこんなのに邪魔されるのは勘弁だ。
それにあの飛行艇には私以外にも乗っている人達がいる、なら空賊共が行動を起こす前に黙らせると言うのがベストだと思った次第だ。
私と共に旅をしているパーティーメンバー達の協力もあり難なく事を済ませられた。
「アオノ~~」
「はいっどうしましたかラブーンさん」
私の前に黄緑ツインテールの幼女が現れる。
ラブーン。彼女とは旅の途中で何故か勝手についてきた精霊だ、年齢は不明。
私は心のなかで精霊幼女と呼んでいる、好奇心旺盛な精霊で観光目的で私の旅についてきたらしい。
気まぐれだが面倒見はいい子である。
「この飛行艇は何も面白い物がない!これならあっちの飛行艇の方がまだ遊べる物があったぞ!」
そりゃあ向こうは客を乗せて移動する事が目的の飛行艇だもん。楽しめる施設の類も普通にある。
但し有料だ、これは今回の空賊成敗を手伝った御礼としてお金を要求していると見た。私はポケットからサッとお金を取り出す。
この世界に流通する貨幣は硬貨だけである、金貨とか銀貨とか実にファンタジーなゲームっぽくていいよね。
「遊べる物ですか……それならこれを、向こうの施設で遊んで見て下さい。それと今回はとても助かりましたありがとうございます」
「フフンッ!礼を言われるのも悪くないな!受け取ろうか!では先に戻ってるぞ」
精霊幼女が転移魔法で転移した、私のパーティーメンバーってみんな転移魔法使えるんだよな。何気に凄い事なんだよコレ。
「………さてっ後は空賊を1人残らず縛り上げて、近くの街まで転移魔法で運びますか」
もちろんこの飛行艇ごとな、そして街の犯罪者を取り締まる方々に引き渡す。
転移魔法もこのサイズを移動させるとなると大変な事であるのだが、私の魔法だと案外出来てしまうのだ。チート魔法万歳。
後はイオちゃん達と合流してから考えよう。
私はこの空賊の頭の……名前なんだっけ?忘れた。ゴツいヤツを引きずってこの部屋を後にした。
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