まず名乗れ
本当は他のタイトルで今日の分のエッセイを書きかけてたんですが、たった今あった出来事で予定変更です。余分があったら今日は3つぐらい書きたいことがあったんですが、何しろもう1話しか予備がないもので、今日はこれ優先しておこう。
今朝は用事があったのでいつものエリアよりちょっとばかり遠くに足を伸ばしました。実家に来たのはもうお昼過ぎ。色々と用事を済ませた後、やっとお昼ご飯を食べてやれやれと一息つき、エッセイでも書こうかなと思ったら、電話が鳴りました。
「はい、もしもし」
私は電話がかかってもまず自分から名乗ることはしません。無言は嫌なので大抵こんな感じで出るんですが、出たけど無言。受話器の向こうには誰かがいる気配があるんですが、黙ったまま。なので私も黙ったまま受話器を持って黙って待ってました。
時間にしたら10秒かそこらぐらいかなあ、こうして書くと短いですが、電話で無言でこの時間って結構長く感じますよ。
「無言電話かな、だったら切るか」
と思いながら、それでもまだじっと待っていたら、
「あの、小椋さんのお宅でしょうか」
と、気弱そうな女の人がしゃべり出した。
おや、無言電話ではない。というか、うちの名字を知ってるということは、何かのリストでも見てかけてきたのかな。
「そうですけど」
と、一応答えてみると、またちょっとためらうようにして黙ってからこんなことをゆっくりだが一気に話し始めた。
「こちらは◯◯というリサイクル会社で、今◯◯(うちのエリアね)を一日中回って捨てるようなものを集めてまして、小椋さんのお宅でも捨てるような物を捨てるぐらいならお皿一枚とかタオル一枚でも出していただいたら海外の困っている人の寄付にしてもらえたらと思いまして、玄関のところに1つでもいいので出してもらえないでしょうか」
文章にすると内容的にはこんな感じなんですが、なんというか、まるで書いてるのを覇気無くだらだらだらっとやる気なさそうに読んでるだけという感じでした。色々な「捨てるものないですか」って電話かかってくるけど、今までで一番やる気なさそうな感じだったなあ。
一番気になったのは最初にずっと黙ってたことで、そこをつっこんでやろうかなとも一瞬思ったんですが、こちらも朝のうち出かけていて、やっとお昼ご飯を食べ終わったところなので、めんどくさくてやめました。
「今、そういうことしてる時間ないもので」
それでそう答えた途端、
「ぷつん」
何も言わずに電話、切れました。
最低でも、時間を取らせたことをすみませんって言うぞ、普通。やっぱりまともな電話じゃなかったなあ。
本当に多いんです、いらない物買います電話。正直、片付けたいと思っていて、引き取ってくれるなら引き取ってもらいたいんですが、こうして電話をかけてくるところは大抵胡散臭いので頼みたくないなと思います。下手に来たら「押し買い」なんてことしてきたりもありますしね。
それにしても、その中でもベスト3に入るぐらいの失礼な電話だったなあ。「寄付する」とか「困った人のために」とか言ったらそれでも話に乗る人がいるのかな。とりあえず私は売るにしても、あなたのところには売らないです。もう名前も忘れたしね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます