脚をしゃぶって我慢する

 今日は朝から夜までずっと忙しい一日でした。疲れた……


 空いた時間にふと、ずっと前に書いてたブログを見ることになったんですが、その時に書いてた内容が面白かったので、ここでも紹介したいと思います。


 書いてるのは10年ほど前の秋に新聞で読んだコラムの内容についてです。今年もよく耳にするんですが、クマが冬眠するのにエサが足りなくて町に降りてきて人間と遭遇してしまうことがその年にも話題になっていたようです。


 その時に英語で「怠け者」を、


「脚をしゃぶるクマ」


 とそしる表現があるとのことでした。


 どうしてそう言うかというと、


「冬眠の前に怠けてあまりエサを食べられなかったクマが冬に空腹で目が覚めても食べるものがなく、脚をしゃぶって我慢する」


 という説からきてるんだそうです。


 実際はそんな事実はないらしいんですが、面白いことに日本でも、


「クマが冬眠の時に脚にアリをくっつけておいて、目が覚めたらそれを食べる」


 という話があるらしい。


 遠く離れた2つの地でそんな話があるのは面白いですよね。

 しかも嘘らしいのに、なんでそんな話が出たのか不思議です。


 それにしても冬眠の時にエサを食べないことを「怠けて」というのがまずちょっとクマに失礼な気がしました。食べられてないなら、それは食べたくてもエサがないということなのにね。


 当時にも書いてたんですが、冬眠前に町に出てきて射殺されるクマの大部分はお腹が空っぽなんだそうです。必死にエサを探した結果、人間と遭遇する場所まで出てきてるのではという話です。


 これは今回調べたことですが、世界にいるクマは8種類で、日本には「ヒグマ(亜種にエゾヒグマ》」と「ツキノワグマ(亜種にニホンツキノワグマ)」の2種類が生息しています。その生体数は「ヒグマ」が12000頭前後、「ツキノワグマ」が3000頭前後、合計15000頭ぐらいだろうと言われています。


 そして驚くことに、毎年2000頭ぐらいが駆除されているらしい。


 この数字だけを見るとクマはすぐにも絶滅してしまいそう。今すぐ保護しないと、そう思います。ですが今でもクマは町に出続けています。というか出てくるクマは増えてるとか。


「減るどころか実は増えてるかも」


 クマの死因は人間に駆除されるだけではないので、その数字が正しいならとっくに絶滅しててもおかしくないのにというところから、そういう説もあるようです。


「だから本当は山奥にもっとたくさんいるはず」


 と言う人と、


「いいや本当は減ってる、絶滅危惧種だ、保護しろ」


 と言う人の間で意見が割れているらしい。


 いや、さっぱり訳がわからない。


 こうなったら分かるのは唯一つだけです。


「クマは冬眠の時に脚をしゃぶらない」


 どうやらこれは正しいらしい。


 10年後にあらためてこの話題を取り上げて出た結果です。


 うーむ、人間が本当に自然のことを把握できると思うのがそもそも思い上がりかも知れませんね。 

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