神戸じゃ上履きなんか履かん!

 うちは新聞をとってないのでよく分からないのですが、昨日の新聞の一面広告で、あるアニメのキャラが、


「神戸じゃ上履きなんか履かん! 土足で授業受けたるわ!」


 と、叫んでいたそうです。


 兵庫だけらしいですが、各都道府県バージョンがあって、その兵庫バージョンがどうもその言葉らしいです。


 そうなんです、神戸は上履きというものがなくて、通学の時に履いてきた土足のままで教室に入り、そのために教室の床は、


「油引き」


 というものがしてあったんですよ。


 どのぐらいの頻度でやってたかとかは覚えていませんが、その日は掃除をした床に、なんだか分からないですが、真っ黒な油をモップで塗っていくんです。それも生徒が自分たちでやりますから、べったべたにしたりして、すごい床になります。プロの方だったら薄くきれいに、とかなんでしょうが、あまり絞りもせずにべとっと乗せてモップを引っ張ったり、そういうののままの仕上がりで翌日から授業を受けます。

 油をひいたばっかりのところで、うっかり転んだりしたら、服も黒くなります。なのに、そこにね、わざと給食のパンを落として、黒くなったのを食べてみたりするのもいました。体に悪い! でも、なんとなく油引きって「そこそこ楽しいイベント」みたいな感じがしてました。


 なので、テレビドラマなどで、学校の入口でみんながおはよ~とか言いながら上履きを靴箱に入れているシーンとか、漫画で靴箱を開けたらラブレターが入っている、なんてシーンを見ても、


「あれはなんやろ」

 

 と、思ってました。


 高校になったら上履きになり、そういうので見たのと同じように自分も靴箱から上履きを取り出して履くようになったんですが、教室の床も廊下もつるつるで、木じゃないのにいつの間にか慣れてしまって、すっかり油引きのことなんか忘れてしまうようになりました。


 しかし、今でもこういうネタが出てくるということは、変わらず、小学校や中学校では油引きをしてるんだろうか? 


 今は近くにそういう条件に合う人がいないので、聞くわけにもいきません。ですが、ネットを調べてみると、近年でもやっているかのような記事が結構出てくるので、今もあるのかも知れませんね。


 それはうれしいような、懐かしいようなと同時に、


「なんで神戸だけ油引きするねーん!」


 と、やはり疑問に思わずにはいられません。


 なんとなく残ってはほしいですけどね。

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