みんみんじゃなくぶいぶい
今年の夏は台風の影響もあるでしょうが、いつもの夏よりまたちょっと変な夏だったような気がします。
その一つがみんみん様です。声はするけど、今年はいわゆる「ファイナル」の方にはあまりお会いしなかった気がします。2回ぐらいかなあ。いつもはもっとびびらされるんですけどね。
今年は変則的に実家の門扉で「ジジジジ」言われて「ババババ」となったのと、ひっそりと廊下で倒れてらっしゃったぐらい。なんとなくさびしい感じです。
その代わり、みんみん様の季節なのに、例のもうちょっとおりこうではない、
「ぶいぶい」
が最近、また廊下で上を向いてぶいぶい言ってます。
「なんでこんな季節に」
そう思いながら一回目は廊下の端、いつもの溝にいるのをいつものように靴の先にくっつけて、
「ほれ、いきなさい」
と足を振ったらぶいーっと飛んでいきました。
その2日ほど後、部屋から出たら、今度は廊下のど真ん中で上を向いてぶいぶいしてるのがいた。
場所的に自分でなんとかしそうにも思ったんですが、こうしてぶいぶい震えていたら、あっという間に溝にはまってしまいそうにも思えました。
「しょうがないなあ」
また足の先にくっつけ、
「ほれ、いきなさい」
と、足を振ったんですが、今回のぶいぶい、じっと私の足先にとまったまま、
「休憩しとるんか?」
そんな感じでじっとしました。
いや、そんなところでじっとされても、私はこれから仕事に行くのだ。
「ほれ、じっとしとらんでいきなさい」
もう一度ぶいぶいと足を振ったら、
「え、なんで登ってくる!」
なんということでしょう、今回のぶいぶい、靴先からスニーカーの甲の部分をちたちたと登ってこようとしておる! こんなやつ初めて!
足を振っても対抗するようにしっかりしがみついて登ってくるー!
「来るなー! 飛べー!」
と、足を振っても飛ばない!
このまま登られてはたまらんと、靴を脱いで振り落とそう、と姿勢を変えたら、
「ぶーん」
と飛んで、
「べしっ」
廊下に落ちた……
ひょっとしてまたもう一度同じ作業をせんとあかんのか?
そう思っていたら、
「ぶぶぶぶ」
と、羽を震わせて、廊下の壁というかなんというか、その下の隙間から外へ出ていきました。
まあ、落ちてないと思います、一応羽もあるし。
しかし、相変わらずおまぬけだなあ、ぶいぶいは。
なんとなく和んだからいいか。
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