お仕事のこと・・・・・
私が今まで職を転々とする中で、仕事を探す基準は「人と関わらなくていい仕事」であるかどうかだった。
短大を卒業後、まず始めたのはショッピングモールの清掃のバイトだった。在学中に就職活動をまともにしなかったので、どうにか生計を立てなければという時にたまたま見つけたものだった。バイトしながらのんびりやりたいことや正社員の仕事を探そう、なんて甘っちょろいことを考えながらゆるゆる生きていたが、なんとこの清掃のバイト5年間続いたのであった。
清掃のバイトはほぼ同僚以外と会話をしなくて済む。というか、同僚とすら「おはようございます」と「お疲れ様です」ぐらいの言葉しか交わさない日もざらにあった。仕事さえちゃんとしていれば、コミュニケーション能力の高さやハキハキ爽やかな接客スタイルを求められることもない。そんな環境がなんとなく自分にあっていたのだと思う。
しかしさすがの私でも、20代半ばになるとフリーターのままでいる自分の将来が不安になり転職することを決めた。
それからというもの、割と職を転々とする生活が始まった。運良く正社員の仕事につけた時も1年もしないうちに退職したり、やっぱり正社員なんて無理だと思って別のバイトをしてみたり。私のGoogleの検索履歴は「人と話さない仕事」、「一人で黙々とできる仕事」、「内向型適職」、などで埋め尽くされた。
・プログラマー
・webデザイナー
・イラストレーター
・警備員
・翻訳
・データ入力・・・・・etc
Google先生が教えてくれた検索結果から、私がなんとなく興味を持ったのはIT系だった。もはやキャリアとかプライドなどといったものは微塵もないので、アラサー未経験の状態で今年から小さなIT系の企業に転職し、なんとか現在も在籍中だ。
転職できたからって、安心はできない。結局どこに行っても悩みは尽きないし、給料もフリーター時代と変わらない。ただ一つ現在の会社のよい点をあげるとするなら、必要最低限の会話しかしなくていい雰囲気を感じるところだ。周りの人々が社交的で世間話なんてしてようものなら、会話に参加する勇気のない私はひたすら居た堪れない気持ちに苛まれるのが常。みんな黙々している空間なら、なんだか存在していることを許されているような気がする。
明るくて積極的で仕事がバリバリできる人に憧れていた時もあったけど、そんな要素自分の中のどの引き出し探しても持ち合わせてなかった。できるだけ人と話したくないし、外に出るのも嫌だし、ずっと家にいたいし、急かされるのも忙しいのも大変なのも嫌だ、嫌なことからは全力で逃げたい。
そう、つまり何が言いたいかっていうと「逃げるは恥だが役に立つ」。
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