夢占いしてみました

乙枯

はじめに

「夢占い」とは

 「占い」というとこれから起こる未来の出来事や、現実には知りえないことを知るためのまじないをイメージする方が多いと思います。実際、だいたいそのイメージで正しいでしょう。


 ただ人が寝ている時に見る夢から色々と知ろうとする「夢占い」は他の占いと少し違う点があります。それは「夢占い」では未来や運命は分からないという事です。


 人間は実は極めて優れた洞察力どうさつりょくや観察力を持っています。ですが多くの場合、知りえた情報から真実を見極めようとするとき、こうあってほしい、こうであってほしくないというような期待や願望が影響し、知りえた事実をじ曲げて解釈してしまうのが普通です。

 このため、せっかく深層心理の部分では真実を正確に見抜きながら、自意識の影響で間違った現実を認識してしまう……認知バイアスという現象です。

 将棋や囲碁の世界で「岡目八目おかめはちもく」という言葉があるように、他人同士がプレイしている時は八手先まで見通せるのに、いざ自分がプレイしてみると何故か二~三手先までしか見通すことが出来ない。自意識と言うのは物事を認識し洞察どうさつするためには、実は悪い影響を及ぼしてしまうことが多いのです。


 ですが、夢の世界では別です。夢はその日あった出来事の記憶や感情を、寝ている間に脳内で整理整頓する際に見ると言われています。夢の中では自意識の影響は弱まり、深層心理の部分で洞察した、より真実に近い認識を垣間見ることが出来るわけです。

 しかし、夢の中では自意識が働いていないからこそ、あらゆる情報は様々に暗号化され、偽装ぎそうされ、一見すると意味の不明瞭ふめいりょうなものにしか思えません。ですが、暗号化にも偽装にも一定の法則があり、それを紐解ひもとくことで、夢を見た人が自意識の影響を受けていない深層心理において、何をどのように洞察し、認識しているかを把握はあくすることが出来ます。それを可能とするのが「夢占い」です。

 「夢占い」とは精神分析の劣化版れっかばんであり、夢診断が民間療法みんかんりょうほう化したものです。


 つまり、「夢占い」でわかるのは未来の出来事や運命などではありません。

 夢を見た人が深層心理の部分で洞察している現状認識であり、それに対して夢を見た人がどう感じ、何を欲していたかということだけです。

 他の方の専門家のやっている「夢占い」はもしかしたら違うかもしれませんが、素人である私ができる「夢占い」はそういうものです。・・・そう、私は素人です。ですが、アマチュアのへぼ占い師にしては割と当たると某所で評判が良かったので、カクヨムでもリワード稼ぎのためにやってみようかと思いました。

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