鈴木ですわ

「おや、サタナエラは?」


「ジ〇リ展へ行きました、カブで」


「手段について」


「シェミーが思うに、小回りがききますわ」


「いや、そういう問題ではなく」


 端末、震える。


「うわさをすれば」


「アマチュア無線からぶいぶん進化しましたわね」


「シェミーが思うに、リープ・フラッグですわ」


「それも違うような気が」


「着メロは財津です」


「レーシングカーでネギを運ぶかのごとき愚行」


(謝れ~)


「聞こえとる」


(アザゼラお姉さま、鈴木ですわ)


「本田ではなく?」


(プロデューサーです)


「そっちかい」


「朽木にしては頭を使ったトリックです」


「そうなの? ねえ?」


(そしてここは福岡です)


「宮崎ではなく?」


(はあっ――!)


「そのわざとらしい小芝居をやめなさい」


「柄にもない小細工ですわ」


(ガラモン)


「コラ」


(マシュラ)


「飛ぶな」


「いったい誰が理解できるネタかと」


(朽木の頭こそリープですわ)


「ちょっとうまい」


(休日なので混んでおります)


「時間がかかりそうですか」


(カブで特攻して巨神兵を拉致ってきます)


「やめろ」


「シェミーが思うに、もめごとですわ」


(焼き払え~)


「言いたかっただけだろ? なあ?」


(真下にいるぞ~)


「遊ぶな」


(屁の七日間)


「シェミーが思うに、悪ノリですわ」


(ゴリアテをジャックしました)


「すな」


(このまま後楽園へ向かいます)


「ジャック違い!?」


(ビッグエッグ・サー!)


「久しぶりですね」


(おいたんは雲になったんだよ)


「セルフ? ねえ?」


(アザゼラお姉さま、いかづちですわ)


「それも言いたいだけやろ」


「シェミーが思うに、新作映画公開ですわ」


(君たちはどう生き抜くか)


「微妙に改変すな~」


(主人公はウツロです)


「ワンチャンか」


「シェミーが思うに、世界デビューですわ」


(成功した朽木など朽木ではありません)


「確かに」


(いや、同意しないで)


「どっちやねん」


(だらけてきました)


「どの口が」


(このままネ〇フリの本社へ営業です)


「どこへ行きたいのか」


(政府が轟龍を放ちました)


「もはや作品ごった煮やん」


(こちらはハゲロンレーザーで迎撃です)


「怒られる……」


(改造アパッチまで出動しました)


「ランボーか」


(伝家の宝刀、死んだふりです)


「スタローンに謝れ」


「シェミーが思うに、予算が足りませんわ」


(ここまでかあ)


「まさかの財布で敗北!?」


(実弾やっちゅうこっちゃ)


「うん、うまいな」


(かくなるうえはクロスカウンターで脱出します)


「人はそれを自爆と呼ぶ」


(これだけで小説が一本書けそうですねえ)


「いかにも朽木です」


(わたしはカブでとんずらしました)


「羽でも生えとるんか」


「アザゼラお姉さま、二時の方向にエネルギー反応が」


「うん、秋田ですね」


「シェミーが思うに、方向音痴ですわ」


(飽きたので帰還します)


「それはうまくない」


「アザゼラお姉さま、文字数が」


「いつから制限が」


(ジャックがバーベルを離すタイミングに似る)


「単にめんどくさくなってきただけやろ」


(キリのいいところで)


「ではやりますか」


(せ~の)


「ほほほほほ!」


(ほほほほほ!)


「GPSのバグでしょうか?」


(いえ、こだまです)


「詰んだ……」


 かくして秋田県H町某所の上空に、大破した古代兵器の残骸が降り注いだとのよしにございます。


「大倉喜八郎よろしく、これを売却して大金持ちですぞ」


 こりない朽木なのでありました。


 ちゃんちゃん。

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