寝言ですわ

「ひづねっ、ひづねっ、ひ・づ・ねっ……!」


「なんですかサタナエラ、うるさいですよ?」


「ぐう……」


「寝とる……」


「シェミーが思うに、うなされておりますわ」


「アザゼラお姉さま、寝言ですわ」


「もう起きとる」


「おっきっき~」


「ころ〇すぞ?」


「秋田弁でつらさを表明しておりましたが……」


「ひづねどもじょっぱりこぐどおい」


「たいへんだけれど強くふるまうですか」


「シェミーが思うに、翻訳ですわ」


「いつから秋田県民に」


「マルチリンガルなれば」


「秋田弁は言語ではありません」


「コラ」


「何をうなっていらっしゃったのですか?」


「いや、仕事がつらくてね……」


「あまり深く考えないことですよ」


「人生とはおしなべてそうです」


「うわ~ん」


「もはや笑える」


「ダイコン・ニール」


「ハマるな」


「和尚さんの、首が~っ」


「昔話か」


「えっぐ、えっぐ、はむえっぐ」


「ふざけてんだろ、あ?」


「この世の中を~」


 サタナエラのあご、はずれる。


「花山にやられたボクサーみたいですね」


「名前を忘れました」


「ユリーが蹴った!」


「クララが立った!」


「朽木も――」


 サタナエラの首、はずれる。


「あほくさい、せっかく心配していたのに」


「鬼の目にも涙ですか」


 サタナエラの腕、はずれる。


「一本大満足です」


「コラコラ」


「あごがはずれているのにしゃべっております」


「七不思議ですねえ」


「残りの六つは?」


「知るかバカ」


「ほげえ」


 サタナエラの脚、はずれる。


「ベルセルクのような光景ですね」


「グリフィスでもここまでされなかったぞ」


「三浦先生……」


「冨樫も――」


 サタナエラの胴、はずれる。


「またバタリアン化しています」


「ミソパンくれ~」


 一同、盛大に吐く。


「運営もさすがにあきれているでしょう」


「いまさら? ねえ、いまさら?」


「バカバカしいので終わりますか」


「気が晴れましたし」


「福岡は晴れていますか?」


「あなたはいま、幸せですか?」


「それが気がかり」


「まさしの歌か」


「とぅるる~」


「みゆきのハミングやめれ」


「ま、じゃあこの辺で」


「せ~の」


「ほほほほほほ、はあ……」


 ため息しか出なくても、いいじゃありませんか。


 あなたがあなたの人生のトップランナーさあ。


 うん?


 ちょっといいこと言ったかも!


 阿部さ~ん!

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