第83話

「すごい焦った顔してたけどどうしたの?」


「もうでたし言っても大丈夫か、怨霊がいたんだよ」


すると美海はえ?という顔をした後恐怖に苛まれたのか涙目になった。美海の涙目初めて直視したがなんだか守ってあげたくなるな。これが庇護欲をそそるってことか。


「視える人なの正弘くんって。それにしても本物って憑いてきてないよね?」


「俺の家系は陰陽師なんだ。だから視える。安心して良いぞこっちが気づいたことに気づいてないから」


すると美海はほっとした顔を浮かべた。まぁいきなり怨霊がいるって言ったら怖いよな。俺もある程度の幽霊は祓えるが、道具をなにも持ってきてない今の状態じゃあのレベルは祓えない。かといって俺が明日行くわけには行かない。明日は学校だし。菅井が心配だが階が違うし大丈夫だろう。


「菅井さん大丈夫かな?」


「明日には祓うって受付の日とが言っていたから大丈夫じゃないか?」


それにしてもこっくりさんを学校は禁止しないのかね。あれほとんどの確率で怨霊がでるぞ。その辺の幽霊が暇潰しにきたりするが何かしらのいたずらをするからな。素人がこっくりさんとかはやってはいけない。視えないやつは本当にきてることに気がつかないからな。


「そろそろ体育館に行くか」


ダンス部がダンスをするからだ。特に足がててるからそれを見るのが楽しみだ。スカートか。それともハーフパンツか。どのみち太ももが見えるからどっちでもいいんだが。


「うん、とにかく幽霊がいるなら早くここを離れたいしね」


美海はもう涙目じゃないがまだ不安そうだ。俺は無意識にお兄ちゃんスキルを発動して美海の頭を撫でた。さらさらだな。女子の髪ってなんでこんなにさらさらなんだろう。美海は急に撫でられて驚いた顔をしてたが、ナデナデが気持ちいいのか目を細めて俺の胸板に飛び込んできた。可愛いな。胸板にきたのは森田でもないんじゃないか。


俺は森田に勝ったと思いながら、背中を抱き締めながらナデナデも一分ぐらいした。これ以上は目立ってしまうからやめる。男からは嫉妬の視線を感じるが、梨香にやったときにも同じ視線は浴びたことかあるので大したことはない。いつのまにか嫉妬視線は受け流すようになった。


「んじゃ行くか」


美海は少し赤みのかかった顔でうんとうなずいた。照れてるのか。まぁ人前てナデナデされたら恥ずかしいか。俺は梨香で慣れたけど。あいつ公共の場でも要求してきたりするからな。まぁ仕方ないんだが、幽霊がこっちを恨めしそうに見たときに梨香はびびってそこを通りすぎた後俺の胸板に来るからな。だからナデナデは一週間に一回ぐらいやっている。


俺達は体育館に移動する。すると美海がこっちを見つめながら正弘くんは慣れているの?と聞いてきた。


「まぁな怨霊の類いは以来で祓うこともあるからな。大体は親父かやっているんだけど、たまに手伝いでな」


「お父様はそいう仕事をやっているの?」


「いや、メインは普通のサラリーマンだぞ。そんな有名な家じゃないからそんなに依頼来ないしな」


ネットでホームページを作ってそこで依頼人が来るのを待っているだけだし。後は繋がりのある本家の神社の神主からの依頼があるくらいだしな。


「怖いって思ったことないの?」


「なくはないぞ、さすがに怨霊がいる心霊スポットは多すぎて呪われそうになったこともあるし。昔からいる幽霊は結構ヤバイからな」


現世に長く留まるってことはそれだけ恨みが強いってことだから。処刑場とか昔からの心霊スポットとかは強すぎるのと多くて俺一人じゃ祓いきれないし。例を挙げると八王子城はやばい。あそこは武士の奥さんの自殺をした人が多いからな。戦がおこなわれた場所は死を覚悟して戦っているからあまりいないんだよな。


「っと体育館に着いたな。さっきのことは一旦忘れて楽しもう」


「うん、せっかく文化祭にきてるんだから楽しまないとね」


ダンスまで後十分くらいだな。菅井にあの教室には近づかないことを伝えておくか。俺は携帯を足して菅井にラインをした。返信は恐らく接客をしてるからまだ来ないだろう。ブラスバンドの曲を聞きながらダンスか始まるのを待っていた。


十分経ちダンス部のダンスが始まった。ほぅスカートか、ダンスをしてるときの生足は輝いて見える。下半身がしっかりしてるから太ももが中々いい感じの太さだ。ダンス自体も統制がとれていて楽しそうに踊っている。


やがてひとつのユニットが終わり、今度は櫻坂の衣装を着た集団がでてきた。まさかここで櫻坂のコピーダンスを見れるとは。


「櫻坂だよ。あの衣装はサイレントマジョリティだよ」


「ああみたいだな。にしてもセンターのやつオーラが凄まじいな」


まるでてっちを見てるようだ。まぁライブを生で観たことはないんだけど。あのオーラは芸能人が出せるオーラだ。もしかして有名人だったりするのか?


「うん、あれはプロかもね」


すると隣の男が驚いた表情をしてセンターの人を興奮した感じで写真を撮った。なんだ?あの子がかわいすぎて写真を撮ったのか?よーく見てみると美少女だ。


「おいあれって斎藤飛鳥じゃないか?」 


名前だけは聞いたことがある。確か乃木坂のメンバーだよな。ふと美海を見るとジーとセンターの子を観察している。美海は乃木坂のなかでもまりっかが好きって行っていたからメンバーは覚えているのだろう。


「あれは本物だよ。まさかこの学校にいたなんて」


メガネを書けてて最初は気づかなかったのだろう。乃木坂といえば最近千葉の地方アイドルから全国区のアイドルになりつつあるグループだ。ばれたら不味いんじゃないか。ファンが押し寄せて。


するとダンスが終わり、センターの斎藤飛鳥がマイクを持った。


「何人かは気づいているかもしれませんが、これをSNSなどにアップするのは止めてください」


斎藤飛鳥ファンは常識があるって聞いたことがあるから、アップはしないのだろう。乃木坂のなかには過激なファンもいるって聞くがな。次のダンスが始まるまでさっきのユニットの人が場を繋いだ。


その間にさっきのメンバーは着替えるのだろう。次はなんのダンスをするかワクワクするな。また櫻坂のダンスだといいんだが。乃木坂のダンスの可能性もあるが。メンバーがいるし。だけど折角だから違うグループのダンスを踊りたいと思ってる可能性もあるな。


すると二人セゾンの衣装を着たさっきの踊ってたメンバーが来た。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る