第8話

電車に乗ると、俺は空いてる席をみつけたのでそこに座った。うちの学校は進学校だが、意外にバイトしてる人も多くこの時間はまあまあ混むんだが、今日は混んでなく座れた。


そういえば長濱さんの好きな食べ物ってなんなんだろうか。俺は少ししか長濱さんと会話してないので、好きなものとか全然分からない。

長濱さんと少しでも会話がしたいから、俺はこの話題を話そうと思った。


「長濱さんてなんの食べ物が好きなんだ?」


長濱さんは携帯をいじるのをやめて、人差し指顎に当てながら斜め上をみて考えたあと、俺の目をみて答えた。


「ヨーグルトかな、きな粉をつけて食べると美味しいんだよ」


きな粉かすごい甘くなりそうだな。長濱さんは甘党なのだろう。ちなみに俺もマッカンをよく飲むくらい甘党だ。だからヨーグルトにきな粉をかけるのは興味がある。


「ヨーグルトにきな粉を混ぜるのか、今度食べてみるわ。俺の好みに合いそうだし。ヨーグルトって大体どのくらい食べているんだ?」


「うーん一週間に450グラムぐらいをお父さんと一緒に食べてるかな」


結構食べているんだな。まぁ嵌まればよく食べる気持ちは俺にも分かる。マッカンとか一日で4本くらい飲むし。糖尿病になるんじゃないかって?マッカンを制限されるくらいなら糖尿病になったほうがましだ。


「尾関君は何が好きなの?」


よくぞ聞いてくれた。ラーメン好きして、長濱さんと一緒に食べたい。そのためにはここでどれだけラーメンがうまいかアピールしなくてはならない。


「ラーメンが好きなんだ。特に辛いラーメンが好きだなんだが、あの口の中に広がるピリ辛さがたまらないんだよ。だけどもし食べるんだったら味噌ラーメンがおすすめだな。濃厚でなかなか美味しいしぞ」 


ラーメンは日本の宝だ。あんなに美味しいものは他にない。味噌は場所によって味が違うから結構楽しめたりする。特にオススメなのは蔵出し味噌だ。そいやという店のラーメンはチャーシュがでかくて柔らかくて美味しい。北海道味噌もなかなか濃厚で美味しいが。今のところ蔵出し味噌と、ピリ辛なラーメンばっか食べているから、どこがオススメだとは言えないが。


「へーラーメンね、私もカップラーメンとか好きだよ。今日は外で食べなきゃいけないし時間があるならオススメのお店で食べようよ」


こっちから誘わなくても長濱さんから誘ってくれるなんて嬉しすぎる。今日は最高の日だ。ここで美味しいラーメン屋に行けば次も一緒に食べれるかもしれない。


「松戸で俺のオススメのラーメン屋に行こう。何が食べたい?」


俺は松戸周辺にあるラーメン屋を頭のなかで整理しながら言った。つっても俺が持っている知識は結構片寄ってたりするんだが。


「味噌ラーメンにしよ、あれだけ目を輝かせて言っていたから相当美味しいラーメン屋を知っているんだよね?」


よっしゃー味噌ラーメンなら美味しいところを紹介できる。そいやに行こう。最近行ってなかったし、ここからも近い。何よりも長濱さんが気に入りそうな味噌ラーメンだからだ。根拠はないもないが。


「ああ知ってるぞ、それじゃ夜はそこに行くか」


「うん、楽しみだなー」


長濱さんはそう言って俺に微笑んだ。やっぱり可愛いわ。長濱さんに匹敵する笑顔はるんぐらいだろう。つまり天使ってことだ。


電車ちょうど馬橋駅に着いたので、電車から降りて、駅員に俺達は定期を見せて駅内を出た。今日はそんなに並ばなかったな。いつもだったらを二分ほど並ぶんだが。まぁ早く乗り換えられるならそれに越したことはないし。


俺達はJRに乗り換えた。電車の中では好きなアーティストの話をしていると、あっという間に松戸に着いた。俺達は改札をスイカてタッチして降りた。ゲーセンに向かうか。 


「楽しみだね、可愛いぬいぐるみないかなー」


長濱さんにふさわしいぬいぐるみはあまりないと思うが。もしあったとしたら、どんなに取るのが難しくても俺が取ってやるわ。俺は気合いを入れ直して、ゲーセンに入った。

 

「うわー、すごい音だね。なんたかごちゃごちゃしてるというか」


始めてくる人はこの騒音にビックリするだろうな。俺も最初来た時はうるせーと思ったし。だが慣れればなんてことない。長濱さんが慣れるまでゲーセンに通いつめるかは知らないが。


「まぁゲーセンだしな。それじゃーユーホーキャッチャーを回るか」


長濱さんはわくわくしたような目をしていた。

そんなに楽しそうに見えるのか。てきるだけ長濱さんを一人にしないようにしないと。なぜなら長濱さんをナンパするようなやつが多いからだ。普通にゲーセンは変なやつがいるし。


俺達はユーホーキャッチャーを回っていると、長濱さんがしのぶのぬいぐるみがあるところで止まった。まじか、俺と推しメン一緒じゃん。これで話す話題がもうひとつ増えた。


「私の好きなキャラはしのぶちゃんでした!」


長濱さんは弾けるような笑顔を浮かべながら言った。恐らく好きなキャラを言えて嬉しいのだろう。


「俺も好きなキャラしのぶだぞ」


「一緒だね、見た目が可愛いし、つかみどころがないところが魅力的だし、なんだかんだいってすごく優しいし、頭がすごくいいところも憧れるてるんだー」


かなりしのぶが好きなのは伝わった。でも頭のよさだったら長濱さんも負けてないと思うんだが。長濱さんの学力は東京大学に受かるレベルだし。まぁさすがに毒を開発するのは無理だろうが。まぁ長濱さんは理系科目が得意だからなにかしらは開発しそうだが。


「そうだな、大人の色気もあるし、男の理想みたいなキャラだよな。毒舌なところもいいし、俺はMじゃないけど。それより取るか」


俺はユーホーキャッチャーを見た。ボールペンで繋がっていて、ボールペンが縦に置いてあり、これを横にすれば落ちる構造になっている。俺は100円をいれていざ勝負と言ってしのぶのぬいぐるみを取ることにしたのだった。




















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