第6話

最近気になることを長濱さんと話していると、長濱さんの好きなタイプが気になり聞いてみることにした。


「長濱さん好きなタイプの男ってどんな人?」


聞かなくても分かるだろうと思うかも知れないが、実際は好きな人と理想のタイプは違う可能性もよくあることだ。ちなみに俺は優しくて料理ができて、美少女で肌がすべすべの人だ。俺は結構面食いだしな。


「うーん私よりも知識を持っていて、つぼが似てる人かな」


長濱さんは首をかわいくこてんとかしげながら言った。かわぃぃぃぃ、長濱さんに抱きつきたい。これを天然でやるからすさまじい。長濱さんより可愛い人はいるのだろうか。いやいない。断言できるし、これは世の真理だ。


ふぅー落ち着こう。にしても知識を持っている人か。長濱さんはよく本を読んでいる。だから長濱さんより知識を持っている人はあまりいないだろう。森田もそんなに知識は持っていないはずだ。俺も本は読むほうだが、テレビに出ているクイズで強い人よりかは持っていない。教養をつけるためにもっと本を読むか。


「そうなのか。なんで知識ある人が好きなんだ?」


「知らないことを教えてくれる人ってなんかかっこいいなーと思って」


確かに俺も女子から自分の知らないことを教えてもらったら知らないことが知れて嬉しいし、知識が多い人って頭がいいイメージがあって憧れるわ。頭がいいってことは出世するだろうしそうすると、俺を養ってくれるかもしれないし、最高かよ。


「そうなんだ。....まぁ頑張るよ」


「?何を?」


聞こえていたのか、まずい正直にいうと長濱さんに好きなことがばれる。何か適当なことをいわないと。


「あー長濱さんの友達として隣にいるには相応の知識持っていた方が話が盛り上がるかなと思ってな」


我ながら苦しい返しだが、大丈夫だろうか。長濱さんは感も鋭いからな。前俺が悩んでたときもすぐに察知したし。結局相談して解決したが。


「確かに盛り上がりそうだね」


どうやら上手くいったようだ。ふぅー長濱さんに感づかれると、ぎこちなくなるだろうから良かったわ。だがいつかは伝えなくてはならないと気がくるだろう。まぁ勝率が高くなったら伝えるつもりだ。それまでは我慢しなくちゃな。何事も欲に負けたら破滅しかねない。


キンコーンカーンコーン


チャイムがなった。昼休みは終わりか。久々に楽しい昼休みを過ごせた。長濱さんに感謝だ。

俺達は席を元の形に戻して、教科書をだした。次は俺が大好きな日本史の授業だから気合いをいれる。しかも日本史を担当する先生は美人な先生なのだ。だから余計に集中する。まぁよく当てられるからっていうのもあるんだが。


すると先生が入ってきた。相変わらず歩きかたが上品だ。噂ではどこかのお嬢様なんではないかといわれている。まぁあんなに品があると、そういった噂がながれていても不思議じゃないな。


「それじゃー授業を始めますわ」


今日は日本史で平安時代をやる。まぁ俺は日本史に関する本はよく読んでいるから大体は分かる。しかも平安時代は覚えることが少なくて楽だ。文化史は大変だけど。ちなみにうちの学校は進学校だから授業の進みが早い。


清楚で上品な笑顔を携えながら関先生は日本史の流れを説明し始めた。俺は需要なポイントだけノートに写し、流れを確認した。先生の書いた黒板は重要な箇所だけ赤色のチョークでかいている。

 

「嵯峨天皇の時に機密保持ために設置された官はなんだったでしょうか。尾関くん答えてくださいまし」


先生にっこりと微笑まれて指された。よく指されるんだよな、たぶん大体の問題が答えられてスムーズに授業が進むからだろう。今はこの問題に集中するかきっかけは多分薬子の変だな。てことは答えは決まっているな。


「蔵人頭です」


「正解ですわ。ちなみにこの時代に設置されたもうひとつの令外官は検非違使ですわ。ここで問題ですわ。嵯峨天皇の時代の格式はなに格式でしょう。長濱さん答えてくださいまし」


長濱さんは立ち上がると、クラス中の注目を集めた。すげーな立つだけでみんなが長濱さんに目が釘付けになっている。これが二次元のヒロインのような雰囲気を持つ長濱さんのレベルか。


「弘仁格式です」


すると先生は上品な笑顔を見せて、さすがですわとと言った。長濱さんが芸能人並の美少女でも嫉妬しないで正当に評価する。これが大人の余裕ってやつか。いや違うな自分に絶対的な自信を持っているから他人に嫉妬をしないのだろう。


「ちなみに三代格式の事を類聚三代格式というわ。覚えておくといいですわ。ここはテストにでますわよ」


その後の十分くらいは軽く文化史をやって授業が終わった。俺は文化にはあまり興味がなく覚えるのを丸暗記に頼っていたりする。平安時代の政治史は好きなんだけれどな。どろどろしていて人間の負の側面が見えてなかなか面白い。


「尾関くん歴史は流石だね。答えられない問題今まで見たことがないね」


長濱さんが微笑んでそう言ってきた。可愛すぎる。でも森田にしか見せない目を細目だ微笑みも俺にも向けてほしい。やっぱり長濱さんの特別に近づきたい。


「まぁ文化史の問題を当てられないだけで、文化史は割りと知らないことも多いぞ」


「へぇーそうなんだ。でもそれ以外なら答えられるってこと?」


「まぁ伊達に歴史関連の本を読み漁ってないからな」


ちなみに俺は本だけてなく論文も読み漁って自分の推論をたててたりする。まぁ本物の研究者には敵わないけどな。一応大学も史学学科を目指している。


「じゃー私より歴史に関しては知識を持っているんだね」


あれてことは長濱さんの好きなタイプに一歩近づいているってことだよな。なにそれ嬉しい。歴史の本を読みまくっていてよかったとこれほど思ったことはない。


「まぁそうなるな。次は移動教室だな。早く移動しようぜ」


「うん、今度歴史人物クイズしよ。私実は戦国時代が好きでゲームもよくやるんだよ。なかなか歴史が好きな同級生がいなくて、尾関くんみたいな人を探していたんだよ」


歴史人物クイズか、やったことないが長濱さんでも負ける気がしないわ。俺の知識に匹敵する者はいても、俺に勝てるやつは歴史の研究者以外いない。


「いいよ、今度やろうぜ」


また一個楽しみができた。話していたらクラスの大半が移動していたので俺達も急いで移動をした。










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