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  • 十四歳のちょっと頭でっかちな男子の(あえて少年と言わず、男子と書きますが)ぎこちない初恋が、やたらとリアルと言うか、生々しい感じがしました。決してネガティブな意味ではないのですが、エロいというのとはまた違う、読んでいるこっちが恥ずかしくなるような、じれったいような、でも微笑ましくもある、なんとも言えない感触のある物語です。私のこの時代は、この話のようにロマンチックでも文学的でもなかったですが、ふがいない昔の自分を見てるようで、ついどやしつけ、もとい、励ましたくなりますね。

    意外な着地点に落ち着いた展開にも目を瞠りました。この年齢からピアノを始めることになる主人公とこの少女は、その後どんな演奏を聞かせてくれるのか。冷やかしでも皮肉でもなく、ぜひ聴いてみたいものです。

    この年齢の男子の心理をここまで書き込める書き手は貴重だと思います。また読ませてください。

    作者からの返信

    大変に嬉しい感想コメントありがとうございます!
    ヤキモキとしながらも見守りたきなる二人の子どもを目指して書いた作品でした。
    そのあたりを楽しんでいただけたようで私も嬉しく感じます。
    お読みくださりありがとうございました!

  • 高飛車なヴァイオリニストの女の子と不貞腐れ具合がまさに子供だと思える男の子の、"音"で繋がる話。

    夢の中の世界も城山さんに見透かされた長田の心情であり、これがもしかしたら二人の関係なのだろう、と直喩してるのかなぁって思いました。

    読了を終えたあとにポワポワするような気持ちになる素敵な作品でした!

    作者からの返信

    御明察です。夢の描写は関係の暗示、ひいては男の子にとって女の子は未知であり、恋もまた初めてで訳も分からず混乱している長田の心情でした!