人形遣いのメルル

茜カナコ

第1話

その子の名前はメルルと言った。

年は12歳。不思議な能力を持っていた。

人形遣い。人形の言葉を聞き魂を宿らせることができる。

メルルにはたくさんの人形の友達がいた。

田舎町ではメルルの能力は隠されていたが、失せ物迷い猫が現れたらメルルに相談するとすぐに見つかると評判になっていた。


メルルは人形たちと遊んでいる時間が一番好きだった。

だから、大きな街に引っ越すというとき、人形たちと別れなければいけないと言われたとき、メルルは家出をした。人形たちもついて行った。

両親が心配をして、森まで探しに行ったところ、メルルは人形たちに囲まれてすやすやと眠っていた。


「メルル、人形たちも一緒に引っ越ししよう」

父親がそう言うとメルルは目を輝かせていった。

「おとうさん、ありがとう」

「メルルは本当にお人形さんが好きねぇ」

母親がそう言うとメルルは答えた。

「うん。大好き」


こうしてメルルと人形たちの生活は新しい幕を開けた。


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