(二)

 駅で電車を降りて家へ帰るまでの間、私は歩きながらママに電話をかけた。

 すると「私は忙しくて行けないわね。パパ……じゃなくてあっちの『ママ』に聞きなさい」と言われた。そして続けて「忙しいから切るわね」と一方的に電話を切られてしまった。

 しかたがないので、次に私は「パパ」に電話した。自宅に帰る一〇〇メートル手前のあたりだった。

 「パパ」は電話に出なかった。電話はすぐに留守番電話サービスにつながった。私は「電話ちょうだい」とメッセージを残して電話を切った。

 そして自宅の玄関ドアを開けて中に入った。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る