四人の三者面談

【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名

(一)

「三者面談があるので保護者の方の都合を聞いてくるように」という担任の掖上わきがみ先生の言葉を聞いて、私はため息を二〇リットルほど吐き出した。まだ高校に入って二ヶ月しか経っていないけど、進学校でもあるので、早めに受験対策を始めるためにも、進路のことについて早めに考えさせたい、というのが学校側の思惑らしい。


 「保護者」。それは主に家族のことをいう。特に肉親、つまり父親と母親のことだ。

 しかし私は、父親と母親とは一緒に住んでいない。父方の祖父母の家に住んでいるのだ。というのも、両親は五年前に離婚してしまったからだ。


(続く)

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