―Me―

柄針

―Me―

ある少女

 私は今日も目を覚ます。

 空はとっても青くて、雲は白くてモクモクしている。私は柔らかい草から身を起こして、大きく背伸びをした。


 太陽は今日も眩しく光っていて、私に元気をくれる。背伸びをした後は柔軟体操。いくら魔法が使えるとはいえ、やっぱり身体を動かして体力はつけなきゃ!


「いっちに、いっちに……!」


 ……一通り柔軟体操が終わった後は、近くの川まで一気に走っていく。この時の風がとっても気持ちいいのよ。


 川はサラサラと水が流れていて、とても透き通っていた。これも、魔法の精霊さんのお陰だね。


 私はそっと川を覗き込む。すると、川にも覗き込んでいる小さな私が映っていた。真っ白な髪に三つ編みの私。


 私は優しく水を掬って、そのまま勢いよく自分の顔に掛ける!


「……っ冷たい!」


 この冷たさで改めて目を覚ました私は、最初に目を覚ました場所まで向かう。そして、近くに置いておいたボロボロの鞄を肩から提げて……。


「よし、準備完了! 今日もよろしくお願いします!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る