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目次
本の名前『黒』
人生は黒です
真っ黒です
ニオイはしません無臭です
でもそとから煤や炭や線香のニオイはします
それが黒です
甘い匂いがすると黒を着ます
焼き肉の匂いがすると黒を着ます
黒を着れられない日もあります
しかし人生は黒です
黒で終わります
未知の生命体から
ミルフィーユ
重ねていけば黒くなる
しかし人は赤と言うのです
人生は赤
人間は赤の色
しかし黒だと思います
嫌なことの繰り返しだけが
頭の中をめぐりにめぐって
落ち込んだ時、隣人はいない
これこそが黒です
むなしいは黒です
うつろいも黒です
画面をオフすると
黒です
黒なんです
涙も黒であれば、どんなにいいでしょう
黒は終わりです
生きなくていいという許しです
だから黒を着て他者を追い出す
喜びを与えられたという許しです
だから黒を着てステップを踏み
踏み外します
その下は黒でした
過程は絵の具でもクレヨンでもいいから
どうぞ
最後は黒です
それまで素敵な絵を描いていてください
お願いします
届いた手紙が
黒一色なので
私は、これにて失礼致します
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