疲れたと言える喜びについて

もう少しだけ声を聞かせてほしい

朝も昼も夜も

その響きだけで幸せになれる

手を振ってバイバイと口に出して

ここまでのことを考えた

反芻するほど嬉しくて

夜の電話時間を待っていた

一日中一緒にいたような感覚

同じ事を何回話してもかまわない

その声だけで幸せになれる

もう寝る時間だと言われて通話を切った

息を止めて胸を張り

ゆっくりと吐き出して

ゆっくりと吸って

反芻するほど嬉しくて

考えるたびに暖かい

そしてベッドに横たわる

「疲れた」と言って目をつむる

明日も会えるね

しゃべれるね

そして夜になって「疲れた」と言って寝れるね

暖かくて幸せで反芻するほど嬉しくて

「疲れた」と言って目をつむる

そしたら明日がやってくる

そしたらまた話ができて

そしたら、また、また、また会えるね

次も、その次も、次も

疲れたと言える、この喜びを

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