2度目の転生
プロローグ
城は月光に照らされ、影が落ちている。
そこには一人の人間がいた。
長い黒髪。淡く光る碧の眼。
人々はこの人間に畏怖と敬意を払いこう呼んだ。
――人類最強、と。
◇■◇
――20XX年、地球
「よし、全ルート達成。」
そう言い、コントローラーを置いた。
まさか、隠しルートが10もあるとは思わなかった。もう何度やっても飽きないのがこのゲームだ。
このゲームのプレイヤーの中で一番ストーリーを把握しているのは俺だと言っても過言では無い。
「浬緒ー、学校!」
一階の方から妹の声が聞こえてきた。
「今行く――」
そう言い、欠伸をしながら階段を降りた。
流石に夜中の三時まではやり過ぎただろうか。今日も六時に起きてゲームやってたし……
そう思いながら、朝御飯を食べ、鞄を持って家を出る。
まぁ、そこまでは良かった。そこまでは。少なくともそこまではいつも通りだった。
走っている途中、曲がり角で何かと衝突した。
そう、少女マンガによくあるパンを咥えた女の子――――ではなく、トラックだった。
いわゆる異世界転生系の小説によく出てくるテンプレ展開である。
あ、やばい――そう思った時にはもう遅く、俺の視界は暗転した。
だらだらと血が流れていく感覚がある。
これは死ぬなー
と思いながらもあまり焦ってはいなかった。
突然の出来事だったので、まあ現実感はある訳もなく。
夢だといいなー、なんて呑気に考えていた。
その時、知らない筈の記憶が走馬灯の様には入り込んで来た。
これ、は……?
………そうか。そうだったな。
俺は――…
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