第143話 冬から春へ


かじかむ指こすりあわせながら

風のなか春をかぎ分ける

懐かしいその匂い

温もりはまだ遠く

冴え渡る冬の空気が

まだこの体を包むから

去り行く季節を抱きしめながら

ゆっくりと別れを告げよう

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