第112話 繊月


消えそうに細い月の姿が

どうしてか気になったのです

その淡い光は儚くて

夜の闇に溶けてしまいそう

それでも濃紺の空の中

確かに存在するあなたを

この目に焼き付けたかったのです

どこか強い意志を思わせる

儚い姿を心に刻みたかったのです

胸に宿る弱さとか

逃げ出したい現実とか

全てすべて受け入れて

ここからまた歩き出すために

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