第105話 ノート
誰の目にもとまらないような言葉を書き連ねてみても
胸に残る虚しさはどうにも拭い去れなくて
それでも穴を埋める方法をこれしか知らないから
古びたノートにひたすら言葉を書きなぐっている
そんな無意味な自分を言い表す言葉があるのなら
それはきっとどうにもカッコつかない言葉たちで
分かっていてもなぜか捨てきれないのだ
この使い古したノートのように
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