第93話 空の涙


ぽつりぽつりと堕ちてくる

空の涙を受け止めて

冷たく濡れる掌は

まるで自分じゃないみたい


ぽつりぽつりと積もりゆく

空の涙を掲げれば

跳ねる雫に反射する

街の灯りが哀しくて


ぽつりぽつりと消えてゆく

空の涙の輝きを

どうにも忘れられなくて

今日もまた雨の中を行く

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