第72話 幸福と空虚の間
幸福と空虚の間に私はいる
このふわふわした時の流れが
ゆるやかな幸せで
その中に揺蕩う私は
何をするにも億劫で
どうにも動けそうにない
何も生み出すこともなく
何も考えることもなく
そんな時間は幸せだけれど
それでいてどこか虚しい
幸福と空虚の間に私はいる
ここから抜け出せないままで
一歩も動くことはなく
ただ時の流れに身を任せ
虚しさから目を逸らしては
このぬるま湯につかっている
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