第39話 灰色の町


幾重にも折り重なる雲の

合間に薄く差し込む陽の

向こう側に広がる町並み

古い絵画みたいに揺れて

まるで過去の亡霊

今を知らぬまま漂い

淡く染められた灰色

手を伸ばしても遠く遠く

止まらない時の流れ

悼む暇さえ失われて

薄れてゆくその景色

記憶に刻み付けて


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