第34話 弔い


胸の奥底のモヤモヤを

引っ張って取り出せるのなら

この手を胸に突き立てて

骨も肉も突き破るのに


どれだけの血を流そうと

どれだけの痛みを感じようと

じわじわ身体を蝕んでゆく

イヤな感覚よりは純粋で


鋭い爪はきっと皮膚を破り

その場に届こうとするから

あたしは目にも鮮やかな

真っ赤なドレスを身に纏う


取り出されたそれはたぶん

邪悪な色をしていて

こんなに神聖な赤色には

全くそぐわないはずだから


あたしはふわりと手に載せて

それをそっと土へと埋める

誰の目にも止まることない

弔いの思いを込めて







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