第34話 弔い
胸の奥底のモヤモヤを
引っ張って取り出せるのなら
この手を胸に突き立てて
骨も肉も突き破るのに
どれだけの血を流そうと
どれだけの痛みを感じようと
じわじわ身体を蝕んでゆく
イヤな感覚よりは純粋で
鋭い爪はきっと皮膚を破り
その場に届こうとするから
あたしは目にも鮮やかな
真っ赤なドレスを身に纏う
取り出されたそれはたぶん
邪悪な色をしていて
こんなに神聖な赤色には
全くそぐわないはずだから
あたしはふわりと手に載せて
それをそっと土へと埋める
誰の目にも止まることない
弔いの思いを込めて
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます