ひとくちコラム
オワコン?なにそれ美味いの?
えっと、まず始めにSNSでよく話題になる「ロボットモノは衰退した」とか「ロボットモノは小説媒体での表現に適さない」って話、あれについて語りますね。
正直「何度目だよナウシカ!」みたいな話だと思ってます。
でも、金ローでナウシカやってたら、必ず見ちゃうんだよね俺(笑)
それはさておき、どうして一定数の人にこうした認識があるのでしょうか。
まず「ロボットモノは衰退した」って話は、これは正確な表現でないにしろ規模的に縮小傾向にあることは間違いないと思ってます。ロボットアニメは今も毎週何本もやってますが、週に十本前後だったTVアニメは、半世紀で五倍から十倍程に膨れ上がりました。深夜帯に主戦場が映ったことで、多種多様なアニメが沢山放送されてるんですね。
昔は、十本に一本はロボットアニメがあった。
じゃあ、百本あれば十本はロボットアニメなのか?
そこは違うと思います。
あくまで私感ですが。
昔にはなかったジャンルが増えたことや、アニメを見る層が広がったこと。それによって、子供向けにロボットアニメを作って、その玩具やプラモデルで儲けるというビジネスモデルが古くなったんだと思います。まあ、「SSSS.DYNAZENON」のようなレアケースもありますが。
ロボットモノが衰退したというよりは、他のジャンルや新ジャンルの勢いが増してきて、結果的にロボットモノのしめる割合が下がったというのが現状ではないでしょうか。これを衰退と見るか、数が減った分良質なものが残り続けてると見るか、それはまた別のお話ですね。
次、これも定期的に見る「ロボットモノは小説媒体での表現に適さない」って話。
結論から言うと、そうだと思います。
編集の担当さんも、ロボットモノのプロットを出されると嫌そうな顔をしますね。それは何故かっていうと、ロボットモノというエンターティメントは文字だけでの表現が難しいからです。無理ではないけど、難しいんです。出版事業は商売でもありますので、同じコストをかけるなら、より簡単で人気なジャンルを推奨したいんですね。
まず、ロボットモノの魅力って、視覚的なもの、ヴィジュアルなんですよ。
ロボットの絵がある、その絵が動く。
これがないと、ロボットモノの魅力は伝わり難いかなと思います。
それを文章で読者に伝えて、読者の脳裏にヴィジュアルを再構築してもらう……そのワンクッションがある小説媒体では、どうしてもインパクトのあるダイナミズムが伝わり難いんですね。
という訳で、適さないと言えば「そうですね」としか言えません。
絵があるアニメやゲーム、漫画でやったほうが手っ取り早いでしょう。
ただ「はいそうですか」とは言いたくない気持ちもあるし、難しいことを常に避けて進む道というのは、更に難しいことにぶちあたる可能性をもはらんでいるのです。また避けるのもいいでしょう、しかし避け続けることが次第に目的化しては本末転倒です。
大事なのは、これは個人的な見解ですが「ロボットモノを小説でやるなら、文字媒体である故のマイナスを帳消しにするプラスを盛り込め」というのを考えています。ロボットモノは、勝負する場が小説である限りマイナス要素を抱えてます。まず、スタートからマイナスだと思ってください。
でも、同じ分をプラスしてあげればいいんです。
例えば、ロボットノベルの金字塔「フルメタル・パニック」がありますよね。あれはロボットモノと思ってない編集者さんが結構いて、それくらい「傭兵少年と普通の女子高生のドタバタラブコメ&ギャグ」が面白いんです。クソデカいプラスを足したことによって、ロボットモノである弱点を克服してるんです。
そうでない作品は、たまに出てきては打ち切りで消える、それがロボノベルです。
そういう難関、高い山を登ろうとしていることは覚えておきましょう。
先日、ちょっと機会があってエッチな漫画のバックナンバーを見る機会がありました。自分が中学生時代に夢中になったのは、ペンギンクラブとその山賊版、あとはホットミルクですね。ごめんなさい、成人向け漫画雑誌なんだけど読んでました。
てへぺろ(・ω<)
で、80年代後半から90年代初頭までのエロ漫画……実は、驚くほどSF作品が多いんですよね。そして、巨大ロボットもアンドロイドもサイボーグも、よく出てくる。学園モノとファンタジー、そしてSFがほぼ同じ割合で雑誌に混在していたのです。
最近ではもう、SFティストなエロ漫画はかなり少なくなってしまいましたね。まして、ロボット(人型機動兵器的なやつ)が出てくるエロ漫画は皆無でしょう。ここから見ても、自分は月日の流れと共にトレンドが変わった、多様性が豊かになった故にロボットモノがメインストリームではなくなったと思っています。
で、一番大事なことはこれです。
それでも、書くんでしょう?
これに尽きます。
商業創作でない限り、作品の全ては作家に委ねられます。出版する時は、多くの仕事仲間との共同作業で、みんなを納得させるだけの仕事しなければいけません。どっちにしろ、自分がいいと思うものをまずは書けなきゃ駄目なんですね。
ロボットモノを小説でやりたいと思うのは、とてもいいことです。
ただ、苦難の道であることは、アマでもプロでも変わりません。
それを知って、その前提条件からスタートすることは、これは自分は大事だと思いますね。それに、ロボットノベルという畑はまだ耕し足りなく、文章だけでロボットの魅力を伝える技術も未発達です。手を付ける人が増えれば増えるほど、豊かな作物が実る土壌が育ってゆくでしょうし、自分もそこに参加する一人かなとは思いますね!
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