そして日常へ
再会。そして日常の始まり
おれはネルビー。
大好きなリリと離れ離れになって、いっぱい旅した。
でもそれももう終わりだ。
「わん!」
サラマンダーに連れて来てもらって、リリの元に戻れたおれ。でもリリってばちっともおれに気付かないんだ。
リリがサラマンダーにビックリしてる間に、おれは勢いよく飛び出した。
サラマンダーが降りやすいように頭を下げてくれたから、そこを勢い良く駆け抜ける。
流石にリリもおれに気付いてくれた。目を大きくまん丸にしてる。
相変わらずリリってば泣き虫さんなんだな。おれがいないとやっぱりダメなんだな。
おれは思いっきりジャンプして、リリの涙を腹毛で隠した。
そしたらギュッと抱きしめてくれた。
おれは嬉しくなって尻尾をいっぱいに振ったんだ。それでリリの溢れた涙を舐めて拭ってあげた。
お互いにお互いを確かめ合って満足したおれは、やっと周りを見た。
「わふ?」
そしたらリリの隣に小っちゃい獣の神がいた。
おれはいつの間に獣の神が子供になったのか、とか。別れたのに先に来てたのか、とか。不思議が頭の中でグルングルンになった。
でも直ぐに違うって気付けたんだ。
獣の神とちょっと匂い違った。きっとこの獣の神が獣の神の子供の獣の神なんだな!
名推理にむふんと鼻を鳴らしたおれは、小っちゃい獣の神を具に観察する。
リリとの遣り取りを見てたらとっても仲良しだってわかって嬉しくなった。
良かった!リリは此処で幸せを見つけれたんだな!
満足したおれが尻尾を振ってる間に、リリと小っちゃい獣の神がギュッてした。
「わふ〜ん!」
あまりに嬉しそうだったから、おれも混ざった。
小っちゃい獣の神にのし掛かったんだ。
そしたら小っちゃい獣の神からフワって匂いがした。おれは気になってフンフン良く匂いを嗅いだ。何処から匂うのか調べるのに前脚でタシタシしながら嗅いだ。
『凄い良い匂いする!』
そしたらなんだか甘くってあったかくって、ドキドキして、おれは思わず叫んでた。
そしたらリリがもの凄くビックリして、おれもビックリした。何でリリビックリしてるんだろう?
その疑問はリリが放った一言で直ぐにわかった。
「ネルビー!貴方言葉が喋れる様になったの!?」
って。
どうやらおれはリリを思い過ぎて、ついうっかり魔物を通り越して守護獣に進化してたらしい。
でもリリの守護獣になったおれは、これからずっとリリと一緒だ。
だからこれからは一緒じゃなかった分までリリを守る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます