第5話

GM:今日でCPも第5話。お話も折返しに突入です。「貴様らに絶望を教えてやる」キャンペーン、はっじまっるよー。というわけで成長報告ー。


ユズハ:プリーストLv6になりました。精神と知力アップ。はやく7Lvになりたいものだ。

GM:今日なれるといいねー。


レイン:レインだ。「格上の相手との戦闘でまた剣士としての感覚が研ぎ澄まされた」とほざいてファイター6に。成長は知力と敏捷……考えることが多いから頭の回転が良くなるかもしれない。あと、冒険者ランクをレイピアにしたぞ。

イキシア:一人だけどんどんランクが上がってくねー。

レイン:ははは、俺は冒険者だし、リーダーもどきだからさ。あ、あとフランベルジュを専用化したいけど可能?

GM:可能でいいよー。

レイン:よし、では以上です。


イキシア:イキシアです。成長の参考のために皆のキャラクターシートを見返していたら、実は自分が一番ピンゾロ数多いことに気が付きました、イキシアです……。

GM:ピンゾロ女王の名は今日から君のものだ!

イキシア:ミミさん、戦闘でピンゾロ振ってらっしゃるので目立ってるんですが、イキシアの方は探索中にそっとピンゾロ振ることが多くて目立たなかったんですね、多分。ただ、そのピンゾロ数のおかげで、なんとぎりぎり経験点が足りて、ソーサラーが一気に2レベル上がりました。ソーサラーのホットなレベル帯! レベル6! 制御付きでファイアボールが撃てるぞー!! 成長は器用と精神が伸びて、そっと器用ボーナスが3になりました。器用使わないんですけどね。

GM:ついに火砲台の登場か……。


ミミ:ミミです。フェンサーが6になりました。今回でどっちを伸ばすかを既に悩んでいる。成長は生命と知力とかいう悲しみを背負ってしまった。敏捷どこ……?  以上ですー。

GM:うむ。では前回のおさらいをしよう。


スカボローでの潜入を終え、帰途についた君達。

しかし船旅の最中、船が故障を起こしてしまう。急遽魔神の領域である砂漠地帯に立ち寄った君たちは、船の修理の傍ら魔神の領域の探索に挑むこととなった。

謎の一団を追いかけた先には、魔神達と、怪しげな儀式を行う集団の姿。

儀式の後、生き残った謎の少女イアを連れ出そうとするも、立ちはだかるラグナカンク。

何故か君たちを手助けしたイアの力もあり、辛くもラグナカンクを打倒した君たちは、イアを村につれて帰ったのだった。


GM:という感じだったが、覚えてるかね?

ミミ:イアちゃんは可愛い。PLの性癖的に「イアの設定はファイアボール3回転くらい刺さる」んですよ。マジで。作られたと思しき存在……言語不十分……いい……。

イキシア:いあー!

GM:性癖が爆発してますなぁ。

レイン:あと、エルフの婆さんもアンさんも昔のこと聞くとなんかぼけるのも覚えてるし、最後イアが名状しがたき神様祈ってたのも覚えてる。

GM:おーけー、では今日のセッションを始めていこう。


GM:あれから2週間ほどが経ち、相変わらず逞しく生きている君たちの平穏な日常からスタートです。スカボローや奴隷農場からやってきた人々や、君たちが連れてきたイアなどが新しく村の住人として増えたので、家の世話をしたり畑を広げたり狩りにでかけたりと君たちは全員大忙しだ。一般技能で働く機会も多かったろう。収入をチェックしてみよう。

イキシア:わーい!

ミミ:働こう。

GM:一般技能レベルx2d6x10ガメルの収入です。どんどん振ってくれ。


ユズハ:(ころころ)役人3Lv出目5。聖職者5 Lv出目5。墓守2 Lvピンゾロ。あんま頑張ってないな? 440G。

GM:最近は死者が少なかったんじゃないですかね? 物資も増えて、順調な証拠ですな。

ユズハ:なら喜ばしいこととしておきましょう。


ミミ:ころころー。家政婦2Lv出目11、織り子2Lv出目5、牧童2Lv出目4、農夫2Lv出目10。600G。

GM:働き者だ。

ミミ:イアのお世話をしたり、イアのお世話をしたり、イアと畑を見たりした。

レイン:イアのお世話がかぶっとる(笑)

ミミ:いや……違うんですよ……これは……(目そらし)


イキシア:貴族(3/相変わらず教室の先生代。礼儀作法とか)出目10、調教師(2/家畜のお世話、騎獣調教)出目9、調香師(1/前回結構好評だったポプリ作り)出目6、商人(3/最近物資が多くて、管理が忙しいよ)出目7。先生稼業が大繁盛!

ユズハ:納得。

GM:礼儀教室は今日も満員御礼のようですね。

レイン:ロリ先生さすが。「最初はごっこ遊びかと思ってたがなかなかどうして、天職かもなぁ、イキシア」

イキシア:「えへへへへー」(無い胸を張る)


レイン:狩人5Lv出目4、農夫3 Lv出目7、学生1 Lv出目5。460Gかな。これは気もそぞろで過ごしてるな。前回の半分くらいだぞおい。

GM:訓練とかしてたのかもしれない。


≪【蝕】の時節≫


GM:さて、今日も君たちはそれぞれの労働をこなし、冒険者ギルド(自称)の食堂エリアでのんびりする時間です。周りには何時ものメンバー(NPC)が。日常RPどうぞ。

レイン:「……向こうって、次はいつ行くんだろうな」

イリト:「向こうって? 雪原か? スカボローか?」

レイン:「両方。行くならセットだろ」

アレン:「いや、セットってわけでも。こっちに運び込む物資のほうがなんだかんだ多いし」

レイン:「マジかぁ」

イキシア:「まあ、そですけど。レインが気になってるのは、どっちかというとスカボローの方なんじゃないですかー」(ふよふよによによ)

レイン:「その顔は何だおい。まぁ、実際そうだが」

イキシア:ここにはあんまり娯楽がないので、最近は耳年増が加速し、恋の噂話を追っかけるのが趣味になってきたのである!! ピュアボーイはおしまいだ!

ユウナ:「オルソラさんかな? 元気だといいんだけど……」

レイン:「うちのPT一番の問題児だからなぁあれ」

ミミ:「私もまた買い物したいっスね。いや、進んで行きたくもないか……ほーれイア。あーん、っス」とイアを膝に乗せてあーんしている。

イア:(ぱくっ。むしゃむしゃ)「いあー……」

GM:抵抗せずにお世話されるがままです。

ミミ:はい、かわいい。

レイン:(笑)

ユズハ:(母性本能?)

イリト:「……なんか最近は、ミミがイアの世話焼いてるのも見慣れてきたな」

ユウナ:「ほんとにねー。親子みたい」

イキシア:「すっかりママみが深くなってますです」

ミミ:「いやぁ、こう見えて故郷でも小さい子の世話とかよくしてたんスよ」

レイン:「あー、想像つくわ。面倒見いいもんな、お前さん。特に変わったところもないか?」

ミミ:「今日もイアは元気っス、はい、あーん」

イア:(むしゃむしゃ)

レイン:「……それは甘やかしすぎじゃねえのか」

ミミ:「そうっスか?」なでなで

イア:「いあー……」

イキシア:「少女というか幼女というか、もはやこう……親鳥とひな鳥……?」

ユズハ:「まあ、面倒見てくれてるだけよし、ではあるんだが……」

レイン:「確かに、俺とかユズハじゃなぁ……」


ミミ:イアさんってどの程度生活能力有るんだろう。

GM:言われればある程度自分でやりますよ。「お世話してくれる人がいるのに自分でやる必要ないよなぁ?」ってところは世話してもらう。

ユズハ:餌付けロールはミミさんの完全なる趣味であることがGMによって保障された。

ミミ:そっかー……(遠い目)


アレン:「んでもよ。ラーリスの神官なんだろ? 大丈夫なのか?」

レイン:「その話はもうしたろ、アレン。相棒が見てるし、布教さえしなきゃ個人の信仰くらい自由だろ」

ユウナ:「いや、でもラーリスだし……」

エルミン:「神聖魔法使ってるところ、見たことないけどね」

イリト:「意思疎通もいまいちできないみたいだからなぁ」

ユズハ:「本来であれば、即殺されてもおかしくない存在なのは確かだろう」(ラーリスと完全に敵対関係にあるキルヒア信者なので、イアを見る目が中道より辛い)

レイン:「ユーズーハー」

イキシア:「うーん……そーいうものです?」ユズハさんの言葉をあんまり咀嚼しきれていない感じ。「ぜんぶシューキョーはシューキョーです。ちがいとかわかんないです」

ミミ:「我々ルーンフォークには、その辺わかんないんスよねぇ。イアは事実、いい子にしてるっスし」

アレン:「まぁ、『危ない神官』っていうよりは、『目の離せない子供』って感じに見えるけど……」

ハツセ:「年も私達とそうかわらなさそうなのに」

ユウナ:「13,14歳……くらい? そろそろ背は伸びなくなる頃じゃないかなぁ~」

レイン:「そうなのか。まぁ、育った環境が環境だろうしな……あんまり一般例にはあてはまらねえのかもなぁ」

イキシア:「価値判断の基準もいまいちわかんないですしね、イア。完全魔神側と思いきや、なんかこっちに味方するし……」

イリト:「『魔神の領域で生きてた人族』なんて、ちょっと想像つかないよな」

アレン:「スカボローともまた違うだろうしなぁ。そもそもどういう経緯で砂漠に居たんだろうな」

ユズハ:「戦った魔神が『仕込んだ』というようなことは言っていたが、『苗床ではない』とも言われたんだったな。かと思えば、倒れた魔神に手を合わせるし、我々を恨むでもない」

エルミン:「魔神が人族を育てることなんてあるんでしょうか?」

ユウナ:「育てたとしても、何のために?」

アレン:「そういや、何か儀式をしてたんだろう? どんな儀式だったんだ?」

ユズハ:書き写してきた魔法陣を見せてみよう。

エルミン:「うーん、真言魔法や操霊魔法とはまた違うなぁ」

ユウナ:「私も、儀式用の魔法陣なのはわかるけど、よくわからないなぁ……大分高位の魔法なのかも」

レイン:「お手上げかぁー。ま、これもゆっくり調べるしかねえか」

GM:君たちがそうやってだべっていると、ガオウが現れます。

ガオウ:「おう、お前らほんまこの時間はいっつもここおるなぁ。村ん中でのんびり集まれる場所が少ないんもわかるけどな」

ミミ:「ガオウはん!」

イキシア:「優雅なランチタイムなのです」

ガオウ:「イリト、レイン、お前らここに来てまだ1年経っとらんよな? お前ら【蝕】について聞いてるか? 今年もそろそろやぞ」

アレン:「あー、そうか。もうそろそろそんな時期っすね」

イリト:「【蝕】?」

イキシア:「日蝕とか月蝕とか、そういうのです? 月や太陽が陰って隠れる、あの……」

ハツセ:「ああそうか、ロリ先生やイリトは知らないか」

エルミン:「外じゃ【蝕】は起きないんでしたっけ? なら説明しとかないと」

ガオウ:「やっぱりか。そろそろ村でも本格的に準備やからな。ついでや、わいが説明したるわ」

GM:同じテーブルにどかっと腰掛けます。

ガオウ:「『奈落の魔域は時折魔神を呼び出す』っちゅーんは知っとるな?」

イリト:「ええまぁ。守護者とかとして、ですよね?」

レイン:「こないだぶつかったしなぁ」

ガオウ:「そうや、通常の魔域なら、まぁ大した事はあらへん。けど、三日月島は特殊や。なんせアホみたいに昔からある魔域やからなぁ。この魔域じゃあ、1年に1回魔神が大量に呼び出される日があるんや」

レイン:「……まじかよ」

アレン:「それをみんな【蝕】って呼んでる。月が隠れる日があるんだ」


GM:この魔域は、空を見上げれば常に満月が昇っています。陰ったことは有りません。

イキシア:ほー。三日月島なのに三日月がないと。


エルミン:「1年に1日だけ、月がどんどん黒くなっていってね。月が隠れたタイミングで魔神が沢山降ってくるんだ」

ユウナ:「降ってくる?」

ハツセ:「言葉通り、月から魔神が降ってくる」

レイン:「はぁ? よりにもよって空からかよ」

アレン:「【蝕】の日は、スカボローじゃ蛮族と魔神があっちこっちで殺し合ってるぜ」

ミミ:「なんでそんな地獄みたいな日があるんスか……」

ユズハ:「魔神のランクは?」

ガオウ:「大したことはない。少なくともお前らが戦ったっちゅーラグアドログなんかは見たことないわ」

レイン:「……それって、いつだ?」

エルミン:「えっと……例年通りなら、2週間後くらい……かな?」

GM:カレンダーを見ながら答えてくれます。

イキシア:「そんな、周期的に予想が立てられるレベルの『行事』なんですね……」

ガオウ:「まぁな。最初見た時はわいもビビったで」

レイン:「で、どういう対策をするんだ? 毎回乗り切れてるんだから、セオリーあるんだろ?」と、すこし明るい声で聞こう。

ガオウ:「村に被害が出んように、物資やら戦えんもんは一箇所に集めて、そこをきっちり守る感じやな。『大量に降ってくる』っちゅーても、全部がこの村目指してくるわけやあらへん。全域に散らばるさかいな。ただ、魔神には守りの剣が効かへん。村中で降ってくる魔神を狩りまくるだけや。なんぼかは森に落ちた連中もこっちに向かってくるから、数日は魔神狩りせなあかん」

レイン:「各個撃破すれば問題ないってことだな」奥歯を一度かみしめてから、もっかい深呼吸する。「つーわけで相棒、皆。ちゃんと準備しときゃ大丈夫ってこった」と大きな声で言おう。

ミミ:「……ま、そうっスね。みんないるっスし」

ユズハ:「そうだな。なに、毎年乗り越えているようだ。きっと今年も乗り越えられるだろう」

ガオウ:「雪原の設備も動いて、物資も増えたからな。ただ、その分の問題もあってやなぁ……」

レイン:ぴく。

GM:ガオウはちょっと身を乗り出し、声を潜めて君たちのみに話します。

ガオウ:「その分、北の設備の防衛にも人手を割かなあかん。わいはそっちに回る予定や」

イキシア:「う。のっとふるめんばー、ってことですね」

レイン:(オルソラがいないからもとから既にフルメンバーじゃ……ああ、くそ。めんどくせえ!)「まぁ、仕方ないよな。拠点増えた以上、その分が必要にはなるし」

ガオウ:「こっちに非戦闘員がいる以上、あっちは少数で対処せなあかんから、ベテランを多めに連れていく。村も人手が増えたけど……お前らも知っとるやろ。ベテラン以外は『三日月症候群』の連中が多い」


GM:「三日月症候群」とは。外から来たベテランの冒険者は、メタ的に言うと冒険者技能をある程度複数横伸ばしにしています。ファイターのお供にプリースト取ったりレンジャー取ったりしてメイン技能を補完するわけですね。しかし、「駆け出しで三日月島に来てここで育った者」や「三日月島出身の冒険者」は、縦一本伸ばしな事が多いのです。「ファイターLv5、他、無し!」みたいな。理由は単純です。レベルが高ければなんとか戦って生き残ることができるかもしれません。でも、横に平たいと「高レベル蛮族に絡まれたら終わり」なのです。

イキシア:うーん、合理的。

GM:なので、どうしても生き残る為に、ないしは結果的に生き残った連中は、冒険者技能が縦に伸びてて横に全く伸びてない事が多いのです。「一つしかできる事がないけど、それを磨かないとそもそも生き残れない」。そんな環境で育った冒険者達の事を、横にも技能が伸びてるベテラン勢は皮肉って「三日月症候群」と呼びます。半分は冒険者としての半端さを指摘するような、半分はそうしないと生き残れない環境を憐れむような、そんな名称です。

ユズハ:オリカたちが「俺達は怪我人が多い」「神官歓迎」って言ってた理由がよくわかるな。圧倒的にレンジャーがいない世界線なのか。そしてすぐ死ぬ。

イキシア:レンジャー伸ばしても、本人は生き残れませんからね……。

レイン:レンジャー9までいけばむしろくそ強いのだが……遠い。

ミミ:この環境でレンジャー9まで上げるのはしんどいなあ。

ユズハ:じゃあ、アレンエルミンハツセも1技能しかないのです?

GM:イリトPTはぼちぼち横に伸びてますよ。君等と同じくらいには。


ガオウ:「お前らも、色々苦労しとるとは思うが、それでもわいが見たところしっかり冒険者として色々身につけとる。守らなあかん拠点が増えたせいで、村に残るんは正直ちょっと頼りないんが多い。お前らは村に残す組に入っとる。すまんが、ちと気張ってくれや」

レイン:「まかせとけ!」

イキシア:「……だいじょぶです。守って見せますです。怖いは怖いけど、死地を潜り抜けまくってちょっと最近自信が付いてきましたからね!」

ミミ:「なんとかなるなるっス。ねーイア」

イア:「いあー?」

GM:よくわかってないようです。

イキシア:「……当日は、イアちゃんの動向ちょっと気を付けとくですよ」(若干眉尻を下げる)「どれだけ無害そうに見えても、魔神の子ってことにはかわりないですから。価値基準がわからない以上、『魔神』が大量に降ってくる場所に置いとくのは、ちょっと不安が多いです」

ミミ:「むー。まぁ確かに事実。気を付けるっス」

ガオウ:「アンプレゼントさんは流石にベテランやけど……一人じゃ限界がな……」

イリト:「そういや俺、アンプレゼントさんが戦ってるところって見たこと無いや」

アレン:「あ、そういえば俺も」

ガオウ:「あん人はかなりの使い手やで。村から自由に動けたらなぁ」

ユウナ:「まぁそうよね。レジスタンスのリーダーなんだし。腕は立つはずか」


ユズハ:アンプレさんって前衛技能の人なんです?

GM:前衛技能もお持ちですね。ミリッツァの神官戦士です。

イキシア:真の意味で横伸ばしできてる人だ。


ガオウ:「毎年戦えんもんはアンプレゼントさんの屋敷に集まって過ごすんや。あの人が率先して守ってくれるからな」

レイン:「俺たちとイリトが遊撃で、皆は得意なこと一つに絞って作業してもらうって感じかね」

ガオウ:「そないなるやろなぁ」

レイン:「了解」


GM:今までGMとして「サブの技能上げるよりメイン技能を1Lvでもあげてくれ」と要請してきましたが、こういう都合もあったわけです。メイン技能に比べてサブ技能は半分以下しかない君たちレベルで横伸ばしができてると言われる環境。それが三日月島。戦わなければ生き残れないのです。

レイン:つらい、地獄。


レイン:ガオウのほうに近寄って「……ちなみに、今からスカボロー行くわけには、行かねえよな」小声で。

ガオウ:「あほいうな。今から村の防衛準備や。オルソラの事は鉄盟団にまかせぇ。あいつらかて【蝕】の事はわかっとる」

ユズハ:「諦めろ。むしろむこうにオルソラが居て良かったじゃないか。癒し手がいれば、オリカ達が生き残れる確率が上がるだろう」

レイン:「わかってる、悪い悪い」

アレン:「むしろ、スカボローなら隠れてれば後は蛮族が片付けてくれるぞ」

エルミン:「そういう意味じゃこっちのほうがしんどいよね。自分たちで戦わないとだし」

レイン:「なら向こうは安心だな……って、ガオウてめえ小声の意味がねえじゃねえか」

ガオウ:「心配しとるんはお前だけちゃうやろ? そういうこっちゃ」

レイン:「くっそ」

イキシア:「イキシアはだんだん肝が据わってきたです。生徒たちはイキシアが守るです!」

アレン達:「「「ロリ先生!」」」

イキシア:「(試しに言ってみたら思ったより生徒たちの反応がよくて胸を張りながら顔真っ赤にしてる)」

ガオウ:「わいは雪原の防衛があるから、明日の船でもう村離れるけどな……お前ら、頼んだで」

レイン:「了解、そっちはそっちで生命線だ。頼むな」

ガオウ:「誰に物言うとんねん。自分らの心配しとれやルーキー」

GM:ガオウはふっと笑います。


GM:実力的には、そろそろガオウより君たちのほうが強くなりつつある。PCは才能の塊なんやな。常に英雄の卵なんや。

レイン:ガオウ、戦うだけじゃないもんなぁ。

イキシア:ただの冒険者じゃなくて、調整役ですもんねー。

GM:そうですね。本人も、君たちが急激に実力をつけてることは理解していて、若さとか才能とかに嫉妬しないでもないけど、年長者の責務もある。「一介の冒険者としての立場」と「村の古参としての立場」がありつつ、でも大人の態度を取るのです。

レイン:俺たちが今のところ全員生きてるのも色々思っちまいそうだよなぁ、ガオウさん……。

イキシア:ガオウはんの仲間は……ですもんね。

GM:報告聞いて「自分じゃラグアドログから生き残れなかっただろう」とか思っただろうよね。

ユズハ:しんどい。

ミミ:つらい。

GM:それでも、「生きて帰る」んや……。


レイン:「さて、とりあえず俺らは『イアを連れて歩くか、もしくは預けるか』を決めないとか。皆どうするよ」

イキシア:「…………。あの。みんな。イキシア、正直あんまりこういうこと言いたくはないですが」ミミさんから目を逸らします。「監視なしに、非戦闘人員のところにイアちゃんを置いておくのは反対です。なので、まだ一緒にいたほうがいいんじゃないかと……」

ミミ:「………………」お膝の上のイアをきゅっと軽く抱きしめておく。

GM:無言でぽけーっとしてます。

ユズハ:「私も賛成だ。目の届かないところで『何か』を起こされたら、目も当てられない」

レイン:「……相棒はどうしたい?」

ミミ:しばらく無言になります。「……イアは私が守るっスから。大丈夫っス」

レイン:「俺たちな」

ミミ:そういうこと言われると弱いので、ちょっと嬉しそうにレインさんに微笑んでしまう。

イキシア:その笑みを見て、目を伏せます。

レイン:「連れ歩くのに反対がいないなら、とりあえず方針はそれでいいだろ」とイキシアのほうに苦笑向けながら言っておこう。

イリト:「まっ、俺らもできることはがんばりますよ。ガオウさん」

ガオウ:「おう、頼んだで、勇士様」

GM:そういって、ガオウは席を立ちます。

アレン:「頑張れよ。勇士様」

イリト:「はは、ガラじゃないなぁ」

レイン:「いや、マジで頼むぜ、勇士様」 そう言いながらも、内心で思うところはある。

イリト:「うるせぇ、お前も頑張るんだよ!」

GM:うりうりとヘッドロックをしかけてきます。

レイン:「いってえなぁ。まぁ、俺も魔法剣買ってるからな。武器に差がねえ以上、負けねえよ」

ユウナ:「今この村で魔剣を持ってるのって、イリト君とレイン君くらい? レイン君も頑張ってくれないとねー」

アレン:「魔剣かぁ。いいなぁ。高いんだよなぁ」

レイン:「ユズハ金融様様だ」必死でいつも通りの顔でふざけておく。

アレン:「俺にも貸してくれ! 二本欲しい!」

ユズハ:「貸してもいいが、なんで2本なんだ……」

アレン:「俺二刀使いだから。二刀流フェンサー」

ミミ:ダイス目に全てを委ねた構成だ。

レイン:「ま、当日のことばっかいってもしかたねえや。塀の補修に罠の設置に防衛ラインの制定。いろいろ頭のいい奴はやることあんだからな、飯食って気合い入れていこうぜ。俺も決まったら動く」

イリト:「そうだな。一回アンプレゼントさんとこ行ってみるか? 何か決まってるかも」

ユズハ:「そうか。ならまずは聞きに行こうか」

GM:というわけで君たちはアンプレゼントの所に向かい、村の防衛に必要な作業について聞き出すのでありました。


イキシア:「…………あの、ミミ。あとで、ちょっとおやつ食べながら一緒に話しませんですか?」 二人きりになったタイミングで、小声でぽそぽそ。

ミミ:「…………了解っス」寂しそうな顔で、イアの髪をなでてる。

イキシア:「じゃあまたあとでです!」 強いて、にぱっと笑顔。翌日とかに時間取れますかね?

GM:ええんやで。蝕まで2週間あるし。

ミミ:イア同伴でいいですか?

イキシア:イイヨー。

ミミ:ワーイ。


≪女子会≫


イキシア:「ふっふっふ。先生におねだりして、今月のサブレ分の前借りをしてきましたです」

ミミ:「おー。それはすごそうっス」

イキシア:個室を貸し切ってミミさん呼んで。バスケットいっぱいのおやつを持ったまま、自分はソファに座る。ぱたぱたと自分の横のスペースを叩いて「ミミも座ってー」とアピールします。イアさんいるのを見ると「あっ」って顔しますが、拒否はしない。

ミミ:ミミさんを挟む感じで、イアと共に座る。

イキシア:イアさんの顔を見つつ、あえて触れません。

「ミミ。単刀直入ですが。イアちゃんに関する、『たとえば』の話をするです。イアちゃんはイキシアたちのこと守ってくれたですから、あんまりこういうこと言いたくないですけど……」

ミミ:イアの手をきゅっと握ります。

イキシア「最悪の『たとえば』の話。魔神たちの言葉を素直に受け取るのであれば。あの儀式で、イアちゃんがなんらかの強力な魔神の依り代になってたりする可能性もあるわけです。そこらへんは、ミミ。想定してますですか?」

ミミ:「……っス。私だって別に、考えてないわけじゃないっスよ。ただ、イアが『ただ巻き込まれて』こうなったんなら。ラーリス神官だからって辛く当たるのは違うと思うっス」

イキシア:「…………そですね。ミミはかしこいルーンフォークです」

ミミ:「この魔域に迷い込んで、それで望まずこうなったのなら。私は反感を買っても、イアを守りたいっス。それに………………最悪の場合は」イアから顔を背けて、イキシアとも目を合わせずに「私が、なんとかするっス」と、ぽつりと呟きます。

イキシア:「……よかったです」長い沈黙の後、口元だけで笑います。

「実はですね。ミミがあのとき、『ミミがイアちゃんを守る』って言ったので、一瞬心配になっただけなのです。最悪の場合にミミが本当に守るべきは、イアちゃんじゃなくこの村の人たちだってこと、わかってるのかなって……」

ミミ:「イアも」被せ気味に入ります。「イアも。もう、この村の仲間っス」

イキシア:「イキシアはそう思ってないですよ」辛い顔します。

「……こんなこといってごめんなさいです、ミミ。信じてもらえないかもしれませんですが、イキシアもイアちゃんのことすきです。いいこだと思ってますです。でも、イアちゃんよりも、先生と、レインと、ミミの方がもっとすきです。ガオウはんも、ユウナもイリトも、生徒たちも……。特に、イアちゃんのせいで、先生かレインかミミかオルソラが不愉快な状況に置かれる可能性があるなら、イキシア……イキシア躊躇しないです」

ミミ:黙ったまま聞きます。

イキシア:「本当に最悪の場合、『イアちゃんが生きて存在するだけで、大規模な災害が起こる』とかの可能性もなくはないとイキシアは考えてますです。……それは本当に最悪の場合で、『そんなこと起こってたまるか』とも思ってますですけど……。でも、イアちゃんの価値判断の基準がわからない以上……突然また魔神側について、イキシアたちを襲ってくる可能性もゼロではないですよ。だからミミ。そういうことになったら、イキシアは『イアちゃんよりもみんなのことを優先します』です」

そういって、ポットから注いだ紅茶を飲みます。頑張って笑おうとしますが、どうしても困ったみたいに眉尻が下がります。

「……これを言っておかないのは、フェアじゃないと思ったので。だから、先にこうやってお話しておきたかったんです」

ミミ:「……私なんかより、イキシアのがずっと賢いルーンフォークっスよ。私は、みんな大事っスから。レインも、イキシアも、先生も。オルソラも。イアも」

迷うような素振りをして、それから。

「……イアが、どうしてもどうしようもないなら……」

言葉を続けようとして、どうしても最後の言葉を言うことが出来ずに口ごもります。

イキシア:「…………ミミはかしこいです。イキシアはもーっとかしこいというのは間違いありませんが!! と、言いたいところですが。ほんとのところ、こういう件に関しては、イキシア別にかしこくないです。これで心根が悲観的なので。イキシアはただ……怖がりで、ビビりの、臆病者なので」

最後の方は少し小声になります。

「だから、いざ何かが起こった時に、『なーんだ、想像してたよりはましだったです!』っていうために、一番つらい時の『たとえば』を事前に考えておくのですよ。そうじゃない、比較的平和な方の『たとえば』も全然ありますです。『あの儀式は実は失敗していて、イアだけが生き残ったのはただの偶然』とか、『あの儀式は実は毎年行われてる蝕を引き起こすための行事みたいなもので、特に普段よりひどいことが起こるわけではない』とか! …………イアちゃんはあの時、何も知らなかったから儀式に巻き込まれて、『たまたま一人だけ生き残った』だけの一般ラーリスシンカンだったって可能性も、あるです」

そこまで言って、ぐっとイアちゃんとミミさんを見て、バスケットからサブレをぽいぽいぽーいと渡します。

「……だから! まあ、ここまでいろいろ言いましたけど! そこまで気にしないでほしいです! 正直、そんなことにはこれっぽっちもならない可能性の方が高いんですから!」

ミミ:「……ま、そうっスね。そうならないのが、一番っス。ね、イア」

イア:「いあー?」

GM:ポリポリとサブレをかじってます。

ミミ:うーんかわいい。和みます。

イキシア:「……うん。だから、頭の片隅に置いておいて、今は3人でサブレ美味しいするですよ。あ、ジャムいります? お花の砂糖漬け作ってもらったです」

ミミ:「……っス。折角の前借り分っスからね! ……最悪の事態なんて、想像したくもないっス」最後のは、極小声で。「ほーらイア! イキシアのサブレっスから、美味しく頂戴するっスよ!」

イア:(むしゃむしゃ)

イキシア:聞こえなかったのか、聞こえないふりをしているのか、イキシアは紅茶に砂糖3杯分のジャムを突っ込んでこぼさないようにするのに必死な様子を見せます。あとはキャッキャと3人で女子会をしました。

GM:はい、ありがとうございました。


GM:それから2週間、君たちは作業に明け暮れ、【蝕】に備えます。村の柵を強化し、食料や、破壊されて困るものを持ち寄り、当日の行動を決め、例年の規模から様々な想定を行い、当日に向けての準備を進めます。


そして2週間後

蝕の夜が、やってきます……。



≪当日≫


GM:【蝕】の当日、夕刻です。君たち冒険者組は最後の打ち合わせに集まっていました。

アンプレゼント:「では、私を中心とした班は村人の防衛に。村の外からやってくる魔神の対応は柵の周りの班にお願いします。村内に降ってくる魔神に対しては、イリト君とレイン君のパーティで対応してもらいます。守る拠点が増え、冒険者は分散していますが、スカボローから来た人たちや新たに迷いこんだ人達が居て村の冒険者の数も増えています。例年の通りならこれで問題なく対応できるでしょう。みなさん、無事、今夜を乗り切りましょう」

レイン:「了解」

イリト:「わかりました」

レイン:「相棒、エース、いけるな?」

ミミ:「ふふー、お任せっスー」

イキシア:「ふふ、イキシアはこの日のためにいっぱいサブレをこの身に蓄えてきたです……糖分の力、思い知らせてやるです!!」緊張のあまりちょっと変になってます。

レイン:「太らないといいな。……ま、ユズハは聞く必要ないよな」

ユズハ:「当然だ。レインこそ倒れるなよ」で、緊張してるイキシアに目を向ける。「イキシア」

イキシア:「ひゃい」

ユズハ:「【蝕】を切り抜けたら好きな菓子なんでも一つ作ってやる。気張れ」

イキシア:「!!!!! きばりますです!!!!」

ミミ:「あー! イキシアばっかりズルいっスー!」

ユズハ:「わかったわかった、ミミとイアの分も受け付けてやる」

レイン:三人の様子にちょっと笑います。「問題ないな。いけるさ」すっと息を吸って吐いて。「イアはミミの言うことよく聞けよ。危ないときはきっちり隠れてくれ」

イア:「……?」

ミミ:「いい子だから大丈夫っスよねー?」

イア:「いあー……」

GM:アンプレゼントさんは心配そうに君たちの様子を見ています。

アンプレゼント:「イアさんは、レインさん達が連れて行くということでよろしいのでしょうか?」

GM:やはりラーリス神官は思うところがある模様。

レイン:「ああ、うちで面倒見ておくよ」

アンプレゼント:「そうですか……。いえ、そうですね。そのほうがいいかもしれません」

レイン:「ああ、そういう諸々含めてこっちで引き受けた。それに、いないとうちの女性陣がいろんな意味で集中乱しそうだからな、頼むわ」

アンプレゼント:「十分にお気をつけて」

レイン:「まぁ、なんとかなるさ」

GM:話している二人のところに、イリトが近づいてきます。

イリト:「あの、アンプレゼントさん。魔剣返したほうがいいんじゃ……?」

アンプレゼント:「いえ、どうぞそのままお使いください。私には予備の武器もありますから」

イリト:「……わかった。ありがとう」

アンプレゼント:「私は勇士を求めています。どうか活躍なさってくださいね?」

イリト:「えっと、はい……」

レイン:「期待されてるな、勇士様。ま、俺らで頑張って、アンプレゼントの出番はなしにしようぜ」イリトとガシッと肩組もう。

アレン:「そうそう。魔神なんか片っ端から切り捨ててやるって」

ハツセ:「調子に乗らない」

ユウナ:「……がんばろうね!」

レイン:小声で「こないだ言った通り変な儀式の話もある、本気で気張っていこうな」そう囁いてから離れておこう。

イリト:「……あいよ」

アンプレゼント:「……では皆さん準備はよろしいですね? 【蝕】までもう時間がありません。各自、持ち場で待機しましょう」

GM:アンプレゼントがそういうと、ある者は意気込んだ顔で、ある者は不安そうな顔で、各自持ち場に向かっていくのでした。




日が沈む。

空に月が輝き、その月が、黒く覆われていく。


それは不思議な光景だった。


毎夜天上に輝いていた月。

その月が、縁を残して黒く染まる。

まるで、月の代わりに天に穴が空いたかのようだ。


【蝕】の日は、陰った月から魔神が降るという。

ならばあの穴のつながる先は、真の奈落であろうか。


君たちが空を見上げ、その幻想的でもあり、恐怖的でもある光景を見ていると。


何かに気づいたように、イアが声をあげた。


何かを謡うように、何かを言祝ぐように、君たちが洞窟で聞いたあの旋律が再び彼女の口から奏でられ始める。



イキシア:「!」

レイン:「その歌……」

ミミ:「だ、大丈夫っスか?」


イアは天を見上げている。

『何か』を祝福するように、『何か』を敬うように、イアは歌いだす。


レイン:「警戒しろ! 多分向こうさん、動くぞ!」 

イリト:「!! あれか!? きたぞ!」


君たちも天を見上げる。

月から、いや奈落から、小さな粒のようなものが落ちてくる。


いや。


それはよく見れば、粒の一つ一つが、「ケタケタ」と笑い声のようなものを響かせながら地上へと舞い降りる魔神達であった。




ミミ:「……いや、ちょっ。マジすか……」

ユズハ:「……実際に目の当たりにすると、壮観だな」

イリト:「いっぱい降ってくるとは聞いてたけど、随分多いな!!」

アレン:「いや……多いぞ! ほんとに多い!」

アンプレゼント:「例年より数が多いです! 皆さん気を引き締めて!」

レイン:舌打ちして「落ち着け、数が多くてもやることは変わんねえ!」


GM:君たちは【蝕】を初めて経験する。それ故に、「むしろ一番冷静だった」と言っていい。一度でも経験している者達は、皆その数に慄いていた。魔神が、三日月島に降り注ぐ。砂漠に、平原に、雪原に、森に、そして、村に。


アンプレゼント:「来ます! 森からの数も多いはず! 皆無理はしないように!」

イリト:「レイン! しくんなよ!」

レイン:「ここまで来てこけられるか! 俺は全員で生きて帰んだよ! こいつらにも、勝つ!」

イリト:「っし! 皆、いくぞ!」

ユウナ:「ミミ達も気をつけて!」

GM:イリト達は君たちと別の方向に走り出す。

レイン:「こっちも行くぞ! 格が話通りなら、数に囲まれないようにして削れば勝てるはずだ!」

ミミ:「うっス! ぼちぼち頑張るっスよ!」

イキシア:「けちらしてやりますです!」

GM:魔神達が村へと降り立つ。村をあげての【蝕】の戦闘が、開始された。



GM:というわけで戦闘です。今回は戦闘回なのでまたあれをやってもらうよ。1d5+3と1d6を振ってね!

イキシア:1d5+3???

ミミ:おかしいッスね???

GM:おかしくないおかしくない。はい、代表者ロール!

レイン:(ころころ)1d5+3で7、1d6は3。くそ、多い!

GM:こいつは前回抜いたな。II445 アルガギス が3体です。

ユズハ:待てー!? 前回は1体だけだっただろー!?

イキシア:オマエ、オレ、キライ。

ユズハ:GM、戦闘始まる前に3分持つ魔法とかかけていいですか?

GM:ええぞ。

ユズハ:ブレス欲しい人ー? 器用か敏捷に6点欲しい人ー?

レイン:両方欲しいです。

ミミ:もらってもダメージ通る気がしないんですよね……敏捷もピンゾロチェックのレベルなので大丈夫だろという顔をしています。

イキシア:器用の方、ダニィにももらっておいてよいでしょうか。敏捷は焼け石に水なのでなしで大丈夫です。

ユズハ:OK。では4点石3個割る。からの、フィープロで全員ダメージ1点軽減。(ころころ)発動。

ダニィ:(感謝のしっぽ振り)

レイン:「助かるユズハ。MP無理すんなよ 長丁場でもあるんだからな」

ユズハ:「ああ。すまないが、石は潤沢に使わせてもらうぞ」

GM:今回のイアちゃんの説明だ。イアちゃんは相変わらず歌っている。よって君たちにはバトルソングが常時かかっている。今回は判定なしでかかりっぱなしだ。

イキシア:おお。

ユズハ:お、バトソンあるのか。

ミミ:勝った。やっぱり味方やんけ!

GM:ただしキュアとMPチャージは飛んでこない。バトソン歌い続けてる扱いだと思って。

イキシア:魔法職にとってはリソース戦ですね……頑張ろう。

レイン:ブレス要らなかったか……? 石が貴重そうなのに、すまない。

ユズハ:構わない。前衛頑張ってくれ。

GM:さぁ、先制判定だ。

ミミ:(ころころ)同値。

GM:PC先行!


<1戦目:アルガギス3体>


レイン:迷ってても仕方ねえ! 全力で行きますか! 一番上のアルガギスに全力だ。盾は投げ捨てておく!(ころころ)22点ダメージ。

GM:13点。

レイン:おわり。やっぱ固い。

ミミ:うーん、減ってるアルガギスを挑発かなぁ。ロングソードを抜きます。(ころころ)あたったけど3点しか通らない。

イキシア:防護点9は流石に魔法職の仕事だよなぁ、思いつつファイアボール。制御、敵全員対象。

GM:本邦初公開こいや。(ころころ)一匹だけ抵抗。

イキシア:うーん、出目振るわず。7点,14点,11点。ダニィは風の息吹。(ころころ)抵抗抜けずで6点。おわりー。

ユズハ:フォース3体拡大。(ころころ)1足りないなあ……。全員に抵抗されて7点,6点,6点。

GM:こちらのターンだ。攻撃は全員ミミ。「まるまる&渾身攻撃」

ミミ:(ころころ)全部3以上なので回避です。

GM:まじピンゾロチェックやんけ……。

ミミ:ブレードスカート!(ころころ)回ったー!

GM:しかも回しやがった。フェンサーはこれがあるからなあ。8点。

イキシア:もう一回全体攻撃行きます! ファイアボール&テイルスイープ!

GM:(ころころ)また一体しか抵抗できない……!

レイン:残りHP16のやつに全力攻撃。(ころころ)回った! 1回転して33点!

イキシア:おおお! 防護点越えて削り切りました!

GM:ひゅー! 一体落ちるぜ。

レイン:「まずひとつ!」

ミミ:盾を床に置いて、挑発なしで殴ります。

GM:あたる。

ミミ:(ころころ)ロングソード回りました。27点です。

GM:ひゅー! おちた!

イキシア:「すごい!!!」

レイン:「お見事!」

ユズハ:「順調だな」

ミミ:「怖くなーい怖くなーいっス」(イアにアピール)

GM:では、ラスト一体もミミに攻撃だ。

ミミ:(ころころ)残念、スカートは発動せず。ではそのまま攻撃に入って、当たって、! 回った。2回転して33点!

レイン:つええええ!

GM:丸まってるにも関わらず貫かれたぜ。戦闘終了だ。


レイン:「ミミ、お前腕上げたなぁ」

ミミ:「イアにかっこ悪いとこは見せられないっスから!」

イキシア:「ミミ、めっちゃいきいきしてるです!」

ユズハ:「いいんだか悪いんだか……」

GM:では目の前に降り立った魔神を倒した君たち。しかしすぐに次の魔神が降り立つ! 連戦です! 4Rの表で敵が落ちましたので、このまま5Rに入ります!

ユズハ:ぐ、継続か。3分持つ魔法が無駄にならないのはよいのだが……。

イキシア:では次はイキシアが(ころころ)あ。1d5+3で8の、1d6は4……。これはだめですね!!!!!!!!

ミミ:たかいぞー?

GM:まもちどうぞ! 14/18!

ユズハ:(ころころ)14。

GM:III430 テラービーストです! Lv8が4体!

イキシア:ダルグブーリーじゃなくてよかっ……いやよくねぇ!? よかったけどよくない!!!!

ユズハ:「再生」と「神聖魔法」持ちが4体か……。

ミミ:あ、GM。盾って拾ってもいいですか。

GM:ええよ! 4Rの裏の分が余ってたから拾えたことにしよう。このまま5Rだ。


<2戦目:テラービースト4体>


GM:PC先行どうぞ! 「おぞましい姿」のロールを忘れないようにな!

イキシア:はーい。ファイアボールでいったん自分から行きましょう。全体攻撃マン。おぞましいやつ(ころころ)……あっ、だめだビビった。行為判定-2!!(ころころ)く、ビビってなければ3体抵抗抜いていたものを。9点,9点,10点,17点。(ころころ)ダニィはビビらず、テイルスイープ!

GM:全部当てよった。14点,14点,12点,13点抜けてくる。

レイン:一番削れてるやつに全力かな。猫目唱えつつ命中18。同値回避されてしまうのでぱりん。24点だ。

ミミ:ガゼルフッドしつつ減ってるのをマレットで挑発。(ころころ)う、18。

GM:回避ー! ではこちらのターン。ミミに2回、ダニィとレインに1回ずつだ。

ミミ:(ころころ)ギリギリだ……こわい。

レイン:無理。

ダニィ:当たる。

GM:ミミさん流石。毒抵抗どうぞ!

ダニィ:(ころころ)ぐあー……。

レイン:むり。

GM:ふふふ。では、以降二人は毒状態だ。「再生」で10点回復して終わり。かかってこい。

イキシア:とりあえずまたファイアボール行きたいので、まずはおぞましいやつ抵抗!(ころころ)失敗―!(ころころ)そして、ビビったせいで抵抗抜けないー!?

GM:1足りないな。9点,10点,17点,8点。再生分がほぼ剥げる。

ダニィ:(ころころ)ダニィの抵抗は成功。一番減ってるやつに攻撃……けど当たらない。腐敗毒のダメージは(ころころ)こんなところで6ゾロ!? 「(いたーい)」

GM:ダニィー!

ユズハ:毒抜きしたいが、キュアポイズンはそもそもまず接触魔法だからなあ……(ころころ)おぞましい判定に失敗しつつ、全体にフォース。

GM:全部抵抗して、7点,8点,7点,7点。

ミミ:うーん……一体弱ってるな。挑発無しでワンチャンダメージ狙おうかな。

レイン:14点で落ちるのか。

GM:いや、バトソンあるから12点で落ちる。

ミミ:やってみるかー。まずはおぞましい判定……6ゾロ成功!「こわくなーい!」

GM:イアを守る補正高すぎない???

ミミ:挑発無しでなぐーる!(ころころ)命中22! ダメージは15!

GM:落ちた。

レイン:やるう!

ユズハ:ミミさん本当覚醒してる。

レイン:じゃ、次点で1番ダメージあるやつに全力だ! あ、まずは腐敗毒(ころころ)出目11かよ。結構くらうな。で、次は攻撃。(ころころ)出目4、命中18……。

GM:18は同値回避ー! ではこちらのターンだ。随分減らしてくれたし回復するか。まず一体が3倍キュアウーンズして、もう一体もキュアウーンズを3倍がけ。ターン終了時に全員「再生」で10点回復するから、これでほぼ全回復だな。

ユズハ:う、ウザい……。

GM:最後のはミミ殴るか。

ミミ:(ころころ)22で回避ッスー。ブレードスカートで14点。

GM:本気すぎん??? 7点。そっちのターン。

イキシア:イキシア、全回復されて怒りのファイアボール……の前のおぞましい判定。(ころころ)また失敗!? どうして!!!!

GM:びびりだからさ!

イキシア:くそう!「こわいですー!!!!」めっちゃ泣きながらファイアボール。全員に抵抗されましたが、8点,9点,8点。ダニィも毒で1点くらいつつテイルスイープ!

GM:全部同値回避!

ダニィ:うう……おぞましい判定に抵抗さえしてれば……。

レイン:(ころころ)出目11で6点腐敗毒くらいつつ、フランベルジュ全力。(ころころ)また出目4……当たらない。

GM:毒の出目たけーな?

ミミ:減ってるやつを挑発。(ころころ)おぞましい判定はくらうけど、6ゾロで殴る。

GM:またイア補正か!! 8点抜けてきたよ!

ユズハ:レインとダニィにキュアウーンズ。14点と10点回復。

GM:ではこちらは……全員マルアクキュア&殴る。そして10点再生。

ユズハ:毎ターン全回復するのやめろ!!


以降は、このラウンドの繰り返しのような状態になった。

イキシアがおぞましい判定に引っかかって抵抗が抜けず、ダニィは「1足りない」が頻発。

レインは毒で高い出目、命中で低い出目に呪われることとなり(「レイン:18が越えられない……」)、ミミはイアに良いところ見せるためか、出目平均11を乱舞し、メイスを回すわブレードスカートで刻むわで奮闘するものの(「ミミ:なんかあったのミミさん? 変なものでも食べた?? PLが怖い!!」)、1ターンで殺しきれるほどの決定的なダメージが与えられない。

前衛全員が毒ダメージ決定ダイスで異様に高めを出し、かつなんだかんだ攻撃をくらうためにユズハも攻撃に回れず、結局テラービーストのMPが尽きはてるまで、15Rかけて殴り合いを続けることになったのだった……。(イキシア:魔晶石の在庫がー!? ユズハ:(時計見つつ)まだ雑魚戦出来る時間だな……ボスまでリソース足りるだろうか)


GM:これで全員死んだ!

ユズハ:やったー!

イキシア:「ダニィよくやったですー!!!! あとミミ、ほんとすごいです」

ミミ:「ダニィ偉いっス!」

ダニィ:しっぽびたんびたん(喜んでる)

レイン:「すまん、足引っ張った」

ユズハ:「いや。強敵だった……」GM、これまだ戦闘続きます? 具体的には、前衛に駆け寄って毒抜きチャレンジして、後衛に帰ってくることって出来ます?

GM:戦闘は続く。「安全に移動して魔法をかけて戻る」は不可だ。危険を承知で前衛に出てもらおう。

ユズハ:ぐ……。了解です。なら、毒状態継続のまま戦闘を続けるのが現実的だ。

イキシア:6Lv神官で基準値18の解除はさすがに無茶ですからね。やめた方が良いと思うです。

GM:では、一度視点を動かそう。周囲の状況描写を挟みます。



GM:君たちは襲いかかる魔神を切り捨てていく。ゲーム的に15Rの戦闘をしてもらったが、描写が省略されているだけで、実際にはもっと低レベルの魔神たちも相手にしていたことだろう。【蝕】が始まってから既に数十分が経過している。戦闘の切れ間にふと周囲に視線を送れば、予想外の数の魔神に慌てながらも必死の防戦を行い続ける冒険者達の姿があった。

イリト:「くそ! 切っても切ってもわいてくる!」

ユウナ:「いつまで続くのこれ!?」

アレン:「一晩中続くぞ! どっかでタイミングみて休むしかねぇ!」

エルミン:「こうも連戦じゃ魔力が続かない! 交代できないの!?」

ハツセ:「私が前に出るから魔香水でもなんでも使って回復して!」

GM:イリト達も村の中を必死に走り回って魔神と戦っています。

アンプレゼント:「隊列を崩すな! 遮蔽物をうまく使え! 怪我をしたものは後退! 中の者と入れ替われ!」

GM:屋敷では、非戦闘員を守るべくアンプレゼントが指揮を取りつつ戦っています。ガオウが相当な使い手と評した通り、寄る魔神を片っ端から切り捨てていますが、いかんせん魔神の数が多いです。周りの冒険者も事前に準備した遮蔽物などを利用しながらなんとか戦っていますが、アンプレゼントが抜けると厳しいでしょう。君たちの援護をする余裕はなさそうです。


イキシア:「あーもう、きりがないです!! ……でも、なんとかやってますですよね、イキシアたち!?」指輪から炎をまき散らしながら叫ぶ。

ユズハ:「そうだな、なんとか……!」

レイン:「ああ、少なくともまだどこも戦線崩壊してねえ! とはいえ、なんだこの数と質は! こないだのラグナカングよりはましだが、それでもとんでもねえぞ!」

ミミ:「イアがいなかったら、マジで危ないっス……」

GM:村中に響き渡るバトルソングは、実際冒険者達の助けになっています。

イア:「♫~~♪!」

GM:イアが何を考えているのかは相変わらずわかりませんが、今はバトルソングを歌い続けています。

レイン:(スカボローはほんとに大丈夫なのか?)

ユズハ:「イキシア、マナはもちそうか?」

イキシア:「……もたせます」 もつ、とは言わない。

ユズハ:GM、10点石2個投げ渡しても?

レイン:こちらも緑Aカード2枚をイキシアに渡したい。

GM:ユズハだけ許可する。戦闘ラウンドのラスト、後衛は未行動だが前衛は行動済みだ。

レイン:わかった。

イキシア:なるほど。めちゃくちゃ助かります……。

ユズハ:詠唱の切れ目で石を投げる。

イキシア:「!(受け取る) 先生は大丈夫なんですか!?」

ユズハ:「イキシアのMP変換に間に合うくらいには抱えているさ。私は広範囲の敵を一掃する能力はない。それが出来るのはお前だけだ、イキシア」

イキシア:「……承知です、じゃあ、お望み通り一掃してやろうじゃないですか!!」

GM:そんなやりとりをしていると。


「門が破られた!」


GM:そんな叫びが、村の入り口のほうから聞こえてきます。どうやらそこに配置されていた冒険者達が耐えきれなくなったようです。

イリト:「俺たちが行く! レイン、村の中は任せる!」

レイン:舌打ちして「ち、了解だ。無理なら下がって来いよ!! 最悪戦線縮小して耐えるぞ!!」

イリト:「蹴散らしてくるさ!」

GM:イリト達は駆け出し、村内に新たな魔神が降り立つ。ザルバードです。

レイン:「皆、イリトたちが抜けた穴はそのままこっちで埋めるぞ!」

ユズハ:「承知した」

イキシア:「生徒たちの分まで頑張るです!」

ミミ:「もうひと頑張りっスね!」


GM:さて、ザルバードがー? 何体だー?

ミミ:(ころころ)4。

GM:4体ー!

ミミ:多いが?

イキシア:また回復もちが4体ですね……。

ユズハ:でもさっきよりはだいぶマシ……。


<3戦目:ザルバード4体>


GM:PCのターンからです。

イキシア:イキシアいきます。流石に数が多いのでファイボ。(ころころ)1体抵抗されて15点,17点,14点,6点。テイルスイープも11点,18点,13点、ピンゾロです。

レイン:一番弱ってるのに全力で行きますか。(ころころ)よし、出目が戻った。問題なく当たる。

GM:うん、その一撃で落ちた。

ユズハ:はや。

レイン:「まずひとつ」

ミミ:強い。一番上を挑発。ロングソードに持ち替えます。(ころころ)出目11だから22で当たる。

GM:出目???

ユズハ:ミミにキュアウーンズ。これで前ラウンド分のダメージが消せるな。

ミミ:「助かるっス!」

GM:こちらのターン、ミミ、ミミ、ダニィ。で、炎の息吹。

ダニィ:お。

ミミ:炎の息吹は死んじゃうので許してほしい……!(ころころ)抵抗! でもHP半減……キュアウーンズなきゃ死んじゃうんだよなぁ……。

ユズハ:頑張って数を減らしてくれ。

イキシア:うーん……3点魔晶石使ってファイアボールしましょう。これはミミさんと相手が相性悪い。MP0。

ミミ:助かりますー。

イキシア:(ころころ)ぐ! 一体ピンゾロで行使失敗……。

GM:ピンゾロ女王……でも残りの2体は抜いた。

イキシア:お、結構削れましたね。ダニィ、ゴー!(ころころ)ダメージ6ゾロ!!  どうだ!!!

GM:え、19点。落ちた……。

レイン:つよい!

ダニィ:「くっく!!!!」(頑張ったの踊り)

イキシア:こっそりと補助動作でHPをMPに変換します。HPは1、MPは30に。

ミミ:盾を床に置いて、減ってるのを殴ります。(ころころ)14点。

GM:6点残った。レインカモーン。

レイン:なら通常攻撃。(ころころ)あたった。

GM:問題なく死亡。残り一体だぞ。

ユズハ:キュアウーンズ3倍拡大で、イキシア、ダニィ、ミミを回復。

GM:ダニィにファイヤー。

ダニィ:抵抗。

GM:8点。そろそろ終わりそうだな。そちらのターン。

ミミ:なぐるー。

GM:あたるー。14点。残り16。

イキシア:へい! 高めが出ればワンチャン(ころころ)お。20点ダメージです!

GM:16点くらった。

ユズハ:ジャスト!

ミミ:お上手!

GM:ぴったりで賞。では……(時計を見る)そろそろ雑魚戦を切り上げるにはいい時間だな。強敵出れば溢れるし。ま、でも振ってみて。

ユズハ:(ころころ)4Lvが(ころころ)3体。

GM:おや。

ユズハ:うん。これは。

イキシア:経験点が来た!!

GM:(笑)さくっとやっちまいましょう。アビスミニオンズです。


Lv7や8や6相手に連戦していたパーティにとって、Lv4はもはやピンゾロチェック以外の何物でもなく、ほどよいボーナス稼ぎとなった。


GM:うまいこと240点稼いでいったね君達。では、ボス戦の時間だ。心しろ。

イキシア&ユズハ:はーい……。←MPと魔晶石が底をつきかけている。



≪勇士≫


GM:君たちが強敵を優先して倒していったお陰もあるだろう。月から降り続ける魔神の数はいっこうに減らないものの、なんとか村は持ちこたえている。一度は危ない状態に陥った門も、イリト達が参戦したことでなんとか持ち直したようだ。しかしギリギリの状態が続いていることは変わりない。長時間の戦闘に、村内で戦う冒険者達にも疲労の色が見え始める。


イリト:「ちっ、数が多い」

アレン:「くそっ、今年は異常だぞ! こんな数の魔神が降ってきたことなんて……ことなんて……? あれ……?」

エルミン:「アレン! 何してるの!」

アレン:「おっ、おう!」

アンプレゼント:「キリがない! 防衛線を狭めましょう! 正門は放棄! 家屋で迎え撃ちます!」

GM:アンプレゼントの指示が飛ぶ。声に応じ、皆ラインを下げていく。

レイン:「了解……下がるぞ、皆。相棒、先頭頼む。最後尾は俺が行くから」

ユズハ:「わかった」

ミミ:「ほいほいっス。イアー、こっちっス!」手を引いていこう。

GM:お。そうか。手を引くか。


ミミがイアの手に触れた時、イアは謳うのをやめた。

なにかに気づいたように、湖のほうを向く。

そしてじっと、ただじっと湖を見つめている。


ミミ:「イア……?」


湖には霧がかっている。

空には隠れた月、降り注ぐ魔神、混乱を極める地上。

静謐をたたえたような湖の上には何もなかったはずだった。


いや。


よくみれば、影があった。

何か、巨大な、影が。


それは頭部に触手がはえ、羽をもち、巨大な体躯をした、

見るもおぞましい何かの影だった。


レイン:「っ!!」湖側に向けて走り、ミミとイアの前に立つようにしながら剣を構えよう。「なんかお出ましか!」


GM:まもちどうぞ14/17

ユズハ:(ころころ)通した。

GM:こちらになります。(データを差し出す)

ユズハ:(確認中)「名状しがたき影(不完全)」……つまりこれは、あれか。「アルフレイムでは観測されたことのない存在と理解した」ってことか。

イキシア:「な……な、な……なん、ですか?」同じく判定に成功したので、戸惑いの方が先に立つ。

エルミン:「こんなの知らない!」

アンプレゼント:「なんですかあれは……」

イリト:「魔神……なのか?」

ユズハ:「……わからない。いや、違う。『わからない』ということがわかる」

ミミ:「……っ!?」声にならない声を出しながらイアを身体ごと引き寄せます。

イア:「いあー……」

GM:イアはのんびりと影を眺めている。しかし、君たちが呆然とする間にも魔神は降り注ぐ。そして、気づいた。降り注ぐ魔神の一部が、まるで湖面の影に吸い込まれるように、どんどんと影の中に落ちていっている。

レイン:「なんだ……まさか食ってんのか」

イキシア:「……なにもわかりませんけど、ぜーったい、やばいということはわかりますですよ。吸い込ませちゃいけない、です。でも……」

GM:降り注ぐ魔神は一部が地上へ、そして多くが影へ。呆然とする君たちの中で、一番最初に我に帰ったのは、アンプレゼントだった。

アンプレゼント:「! こちらに向かってくる!?」

GM:影はゆっくりと視線を巡らせると、君たちのほうへ動き始めた。いや、少し違う。君たちの中の、少女のほうへ向かってくる。影の視線の先のイアも、それに応えるように彼方に手を伸ばした。止まった唄が再びまろびでる。朗々と響くイアの声に応えるように、影はゆっくりと村へと迫りくる。

イリト:「おい、イアが狙われてないか!?」

イキシア:「狙われているというか、これは……」

ユズハ:「……呼んでいるのでは?」

ミミ:「……~~~~ッ!」と内心泣きそうになりながらイアを抱き寄せる。それしかできない。

イキシア:「……イア。何してるですか。あなたは、あれ知ってるですか?」

GM:イアは答えない。ミミの腕の中で声を上げながら、影を見つめている。

アンプレゼント:「レインさん! イアさんを連れて下がってください!」

レイン:「それは相棒がやる! 俺は、あいつを、ぶった斬る!! イアを狙っているなら、迎撃ポイントを選べ……」

アンプレゼント:「イリト君! あれを村に入れさせるわけにはいきません! それに放置もまずいです! 申し訳ないんですが!」

GM:レインの言葉を遮り、アンプレゼントがイリトの名を呼ぶ。メタ発言を挟むが、こいつは君たち向けの(今回の)ボスではない。

レイン:あら、残念。

イキシア:顔見せ回……だけならいいんだけどなぁ。

イリト:「ああ畜生! あんなの勝てるのか!?」

エルミン:「いや……今はまだ不完全……? むしろ叩くなら今かも!」

ユウナ:「ミミ、イアちゃんをお願いね!」

イキシア:「…………ダメです、下がるです生徒たち!」

アレン:「そんなわけにもいかないでしょう!」

ハツセ:「ガオウさんとも約束しましたし、ぶん殴ってきます」

イキシア:「だって、だって……だ、だったらイキシアたちが行きます!」

イリト:「イアが狙われてんのに連れていけるか! いいから村のほうを守っててくれ!」

ミミ:「あんなの、敵うんスか!?」

イキシア:「『敵わない』と思ってるから、この子たちを行かせたくないんですよ!!! イアを守って、この子たちに死ねというんですか!?」

GM:君たちが言い合ってるうちにも、影は近づいてきます。

レイン:「……くっそぉぉ! 揉めてる時間がない、イキシア! 下がるぞ!!!」

イキシア:「…………やだ、やです、いっしょにいきますです!」

レイン:「お前だけ行ってもバランスが崩れる! こっちも、向こうもだ! 全員で死ぬつもりか!」

ユズハ:「ダニィ、イキシアをつれて下がれ。先にアンプレゼントさんの屋敷に行け!」

ダニィ:「く……」(イキシアの首根っこつかんで、ぽいっと背中に乗せる)

イキシア:「やー!!!!」という泣き声が背後にどんどん遠ざかっていきます。

イリト:「後でおごれよ、レイン!」

レイン:「この状況で悪魔かてめえは! おごってやっから帰って来いよ!」

アレン:「こっちの心配の前に自分の心配してろ!」

アンプレゼント:「レイン君たち! イアさんを連れて中に! 早く!」

レイン:「了解だ……」

ミミ:「イア!」手を引きながら下がります。

GM:イアは、今度こそミミに手を引かれながら下がるでしょう。ただし目線は湖の影を見据えたままです。その影に向かって、イリト達は駆け出していきました。

レイン:手近な壁を殴りつける。「アンプレゼント、恨むぞ、くそ……!」


≪村内の脅威≫


GM:君たちは建物の中に入るべく、アンプレゼントの誘導に従って村の中に戻ってきました。しかし。

アンプレゼント:「きゃっ!?」

GM:突然、君たちの目の前でアンプレゼントが吹き飛ばされます。

レイン:「っ!」

GM:闇夜に紛れてわかりにくいのですが、そこには半透明の魔神が立ち塞がっていました。どうやら、湖の影に気を取られて接近を許したようです。非戦闘員達が立てこもっている家屋はすぐ傍で、他の冒険者は他の魔神の相手で手一杯です。

イキシア:「……うう、くう。どうして……!!」と叫びつつ、右手で左手の指輪を押さえます。

ミミ:「……さっさとどいてもらうっス!」

GM:魔物知識判定15/18。

ユズハ:(ころころ)よし、とった。

GM:III429 シハルスです。弱点は炎属性ダメージ+3。

ミミ:(ころころ)16。先行ッス。

GM:さて、イアの歌は止んでいる。「半透明の身体」のせいで視認出来ないから後衛の魔法は飛ばせない。さあ、どうする。戦闘開始だ。


【戦闘開始】


ユズハ:全員一旦後ろスタート。フィールドプロテクション。(ころころ)発動成功。

GM:さぁどうするのかな?

レイン:「……よし! イキシア!! 俺が前に出たらファイアーボールだ! アイツに俺が張り付くから、巻き込んで焼け!!」

イキシア:「そっ……いや考えましたけど、一瞬考えましたけど!? な、仲間に撃つのは……!!」

レイン:「透明な奴に俺が当てるより、お前がまとめて焼き払ったほうが速い! 早く仕留めて周りが落ち着けば向こうの応援に行けるかもしれねえ」

イキシア:「……っ、…………」

レイン:「頼む! あいつらのところに俺の魔剣を届けてやりてえ!」

イキシア:喉を鳴らして唾をのみ、真っ青な顔でレインさんを見る。「……イキシアの魔法、痛いですからね。耐えてくださいね。耐えなかったら承知しませんからね!!」

レイン:「まかせろ。……俺だって……あいつらのほうに、ほんとは行きたかったんだからな」


GM:レインを中心にファイアーボールという範囲攻撃をぶち込むことで強制的に魔法に巻き込む、か。鬼畜戦法で来たな。炎弱点抜けてるからダメージが美味しいのは確かだが。

イキシア:魔法制御は「任意の相手を狙う」ではなくて、「任意の相手を外す」なので、前衛にいる他の人を巻き込むことはないのですが、この方法はPC一人に必ず「起点」になってもらわねばならないので、フレンドリーファイア必至です。イキシアの固定値が高いのがあだになります。フレンドリーファイアで殺したくはないよう。

ユズハ:でも一切回避できない後衛が前に出て戦うよりはずっと生存率が高いはずだ。毎ターン回復量との比較にはなるが。

レイン:攻撃障害もあるしな。レインもポーション飲む形にすればそれなりに。攻撃の手数減るけど範囲攻撃はおいしい。

GM:うーん、GMやってて辛くなってきた。イリト達を見送り、仲間に向かって魔法を撃たねばならんとは。ニヤニヤが止まらない。

ユズハ:GMが愉悦してる。

イキシア:鬼畜!!!


レイン:武器をディフェンダーに変更して前に移動。スカーレットポーションを飲む。HP最大値+10。

GM:完全に防御姿勢だな。

レイン:「この魔神野郎! うちのエースの強さ思い知らせてやっからな」

イキシア:い、いくかぁ……いくのかぁ……ファイアボール。魔晶石5点割ります。まずはシハルス。(ころころ)ぐ、1つ1ゾロ。それはレインの分にしてほしかった!

GM:(ころころ)コアの頭だけ抜けたな。

イキシア:で、レインさんの分……(ころころ)出目11。もー!!!!

ミミ:高いですねぇ!

レイン:(ころころ)抵抗失敗。出目10でも足りねえわ(笑)

GM:殺意!!(爆笑)

イキシア:ほんとすみません。心を無にしてダメージ。(ころころ)上から11,19,11。レインさんの分は……出目9。ぎ、ぎりぎりー!!! 回してない!!

レイン:17点。

ミミ:回ってない。優しい

GM:ユウジョウ!

イキシア:ダニィの行動。前に出てテイルスイープ。攻撃障害あるけど一応4体狙いです。2か所当てて8点7点です。

ユズハ:レインにキュアハート。(ころころ)16点回復。出目7でこれくらいだから、イキシアが回さなければ……なんとか……。

ミミ:右半身を挑発。石を割ってガゼルフッド。(ころころ)当たった。5点通す。これならソードでも当たりそうかな。

GM:こちらのターン。頭は前衛にファイヤボー。

レイン:!?

イキシア:レインさん、前からも後ろからも炎で焼かれてるってホント??

ユズハ:ひどい(笑)

レイン:(ころころ)うーん……変転して抵抗します。

ミミ:こんがりですねぇ。

GM:ミミに14点、レインに7点、ダニィに6点だ。身体はミミレインを殴りつつ、尻尾はテイルスイープ。

一同:全回避!

ミミ:ブレードスカートで10点ッスー。

GM:くそが。スカート3点。おわり。

イキシア:また焼きますか……。

レイン:こい!「ここだここ!」

イキシア:「くぅっ」最後の5点魔晶石を割ります。ファイアボール……! レイン起点、ミミダニィ除外、それ以外の「何か」は全巻き込み! (ころころ)やりました! レインの出目3!

レイン:よし! 抵抗した。7点だけくらう。

GM:1つ抜けた。右半身が落ちそう。12点15点12点10点。

イキシア:ダニィいきますー右胴体。

GM:回避むりー。6点。

レイン:これは……右半身、レインなら一撃で落とす目がある。先生、回復ください!

ユズハ:了解。前衛3人にキュアハート。

レイン:「……いくぜ」ディフェンダーをしまい、フランベルジュに持ち替えて、片手通常攻撃猫目。命中15!

GM:(ころころ)なら16で回避。

レイン:割って通す! フランベルジュで17点だ!

GM:8点。落ちたな。攻撃障害が解かれる。

ミミ:よし、コアに届く。ソードに持ち替えて頭を殴ります。(ころころ)が、外れ。GMの出目が強い!

GM:ふぅー! こちらのターンだ。再び前衛にファイヤボー!

レイン:抵抗!

ミミ:成功。

ダニィ:失敗ー。

GM:6,6,13点だな。左半身はミミ、尾はダニィ。(ころころ)19回避してみろ。

ミミ:出目が高いぞ!

GM:10以上でてないから低い低い!

ダニィ:出目9はあたるよ!! 2点もらいました。

GM:透明化の呪いを宣言しとくべきだった。そちらのターン。

イキシア:またファイボ……して、頭にパラミス撒きましょう。対象はさっきと同じ。魔晶石は使わず、ファミリアから出します。

GM:頭だけ抵抗。

レイン:抵抗。

イキシア:よかった……! 毎回胃が痛い。

GM:12,20,20点。

レイン:6点だけ。

イキシア:で、パラミス最後の1枚を頭に投げます。ダニィはテイルスイープ。

GM:全部あたったか。9,7,5点。

ミミ:頭殴ります。練技更新……が、ピンゾロ!

イキシア:そういうこともある。

ユズハ:キュアウーンズ前衛に3倍。ミミ14点レイン14点ダニィ12点。

レイン:……よし! 盾を投げ捨てて両手持ち。頭に全力だ!(ころころ)20点ダメージ!

ユズハ:「……もう少しだ!」

イキシア:「あとちょっと、あとちょっと……!」

GM:頭ファイヤボー。

ミミ:同値抵抗。

ダニィ:失敗ー。

レイン:失敗。

GM:失敗はミミ以外か(ころころ)ち、ミミのところだけ6ゾロ。

イキシア:こーわ!

GM:尻尾はテイルスイング。

ミミ:(ころころ)お返しのブレードスカート発動! 2回転して23!

GM:ほんまさぁ……スカートで何故15点も入る??? あとの二人は両方18点ダメージだわ。

レイン:11点もらい。

イキシア:6点もらいます。

GM:ダニィ固い。そちらのターン。さあ、最後に出るか? クリティカル。

イキシア:はわーん。まずダニィがんばる! 19で尻尾が頭を殴る!

GM:あたった。残り5点!

イキシア:いきます……対象いっしょ。焼き払います!

レイン:(ころころ)抵抗失敗。

GM:頭は抵抗したな。

イキシア:うぐ。ではまず、頭へのダメージが(ころころ)17点……!

GM:落ちた。これで戦闘は終了となる、が。

イキシア:……では、レインさんのを。(ころころ)出目、5。

レイン:13点だけだ! 生きてる!

GM:せえええええふ!!

イキシア:よかった……!!

GM:よし、では改めて、戦闘終了だ。



レイン:「さすがだエース!」

ユズハ:「見事に敵だけを焼き切ったな」

イキシア:「レインー!!!!」と泣きながら走って飛びつきに行きます。いや怖かった。PLが怖いんだからもうイキシアはめちゃくちゃ怖かったに違いない。

ミミ:「レイン、無事っスか!?」

レイン:「おう、もちろん平気だ。お前の炎で死んだりしねえ。けど、飛びつかれると流石に痛えええ! 火傷はしてっから!!」

イキシア:「わわわわわわごめんなさいです」(離れる)

ユズハ:「……良かった、死ななくて」といいつつ、演出で火傷部位にキュアウーンズ。

レイン:「もちろん、仲間の攻撃で死ぬわけにいかねえだろ」と、親指立てる。

イキシア:「うぇええええ」安心したらしたで泣く

レイン:「アンプレゼントは平気か?」

アンプレゼント:「私としたことが……油断しました……。まだ魔神は来ます……! 皆さん、一度下がって回復を……!」

レイン:そうか、あれで最後のわけないもんな。湖の応援に行きたいんだが……。

GM:はい、戦闘は続いています。月から降る魔神は、影に吸い込まれる数は多いものの、地上に落ちる数も無視できるものではありません。君たちはアンプレゼントと共に必死に非戦闘員を守ることになるでしょう。影をどうにかできるかは、イリト達に託されます。

レイン:「……くっそぉぉぉ」言いながら殴り合おう。

ユズハ:「……元から、数日続くと言っていたものな」魔香水摂ってそのまま前線復帰。


GM:その後しばらくして。突如として、影の辺りで何か光が閃きました。そのまま、影が少しずつ霞んでいきます。

レイン:「!!!!!」

GM:それに合わせて、天から降り注いでいた魔神達も数を減らしていきます。空には陰った月だけが静かに取り残されました。

ミミ:「……やったんスか?」

イキシア:「か、勝った……?」

GM:村の中に入り込んだ魔神を倒し終えた君たちは、それでもしばらく周囲の警戒にあたることでしょう。

レイン:飛び出していきたいのを必死でこらえて、周りの警戒にあたる。

GM:そのまましばし待っていると、湖のほうから、ぼろぼろになりながらもゆっくりと歩み来る姿が。

イリト:「いてて……」

レイン:「イリト!!」駆け出しちまおう。

イリト:「よう、そっちは無事か?」

レイン:「あったりまえだ。イキシアのやつが大奮闘だよ。お前らは!」

アレン:「死ぬかと思った。いや、死んだと思ったぞ……」

ハツセ:「流石に肝が冷えた……」

エルミン:「ごめん、誰か肩かして、もう倒れる……」

ユズハ:エルミン支えに入ろう。

イキシア:歩み来る影の数を必死に数えています。「みっ……み、みー………」みんな、と言おうとするが、のどが詰まってそのまま無言で走りよる。「い、いき……生きてますね?? 生きてますよね……!!!」

エルミン:「大丈夫です、ロリ先生。生きてます……」

イリト:「まぁ、なんとか追っ払えたよ……」

ユウナ:「もうここで寝たら駄目かな? 魔神どっかいっちゃったよね?」

レイン:「家まで歩いてくれユウナ。ここで寝んな」

ミミ:「ユウナさんもお疲れっス。ベッドのほうがやわこいっスよ~」

ダニィ:(泣き出してしまったイキシアの代わりに、負傷した人たちを背に乗せていく)

レイン:「ちぃ、全員生きてやがるってことは、おごりの代金がたっけえな! くそ!」

イリト:「安物で済ませるつもりはねーからな……」

レイン:「ひと眠りしたら覚悟しとけよ」

イリト:「こっちのセリフだ」

アンプレゼント:「イリト君! 皆さん! よくご無事で!」

GM:君たちと一緒に村の防衛についていた冒険者達も顔を出します。

レイン:「お前ら! 英雄の帰還だぞ!」でてきたモブ冒険者に煽るように言う。

GM/モブ1:「イリト達がやったのか?」

GM/モブ2:「あのデカブツを?」

GM/モブ3:「ひゅー! 流石勇士様だぜ!」

レイン:「とりあえず道あけろ、休ませんぞー!」

GM:一晩中続くはずだった【蝕】が突然終わりを告げ、ほぼ間違いなくそのきっかけになったであろう影の討伐を成功させたイリト達に、村人は惜しみない賞賛を贈ります。レインの言葉どおりに道を開け、中を通る彼らをみんな口々に褒め称えることでしょう。

アンプレゼント:「……皆! 勇士の活躍もあって【蝕】を乗り越えることができた! 勝どきをあげよう!」

GM:アンプレゼントの掛け声で、冒険者達は勝どきを上げる。その中心にいるのはイリト達だ。

ミミ:彼らを見やりながら「ほんと、勇士様は違うっスね」と呟いておこう。

レイン:小声で「……かっけえなぁ……」と、そう呟いて、少しだけ唇を噛む。

GM:被害は大きかったものの無事【蝕】を乗り越えられた君たち。謎の影の正体や、イアとの関係はわからぬままであるものの、今は、無事生き残ったことを互いに喜ぶのであった。

レイン:(俺たちは勝ったぞ、オルソラ、お前も無事だよな)

GM:数日後、森の拠点や雪原から「例年より大規模な蝕に思わぬ被害を受けたものの、夜明けより前に【蝕】が終わったことでなんとか持ちこたえた」と連絡を受ける。予想以上の被害を受けた君たちは、しばらくの間拠点の復興に勤しむのであった。


GM:5話は以上になります。

一同:お疲れ様でしたー!


ユズハ:いやー前回の剥ぎ取り石様様でしたね。スカボローで買っといた分と合わせてほぼ全部とけた。

イキシア:はぎとり石がなかったら即死だった!

ミミ:んもーGMったら調整がお上手!

GM:いや……それは……偶然……。ちなみに、イリトが剣と盾持ちのフェンサー、ユウナがフェンサーの神官戦士、アレンが二刀フェンサーで、ハツセがグラップラー、エルミンがウィザードだ。全員データもあるぞ。

イキシア:フェンサー多いな?

レイン:伸ばしやすいからだろ……。

GM:いつかはお披露目することもあるだろうねー。

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