002 最強の冒険者
中世のヨーロッパの様な町にあるギルドの中。
俺は、泣いていた。
パーティーを追放されて、夢を
そんな俺を見て、笑うギルドの冒険者たちとトテーボ。
状
そして、俺が絶望を感じていた時だった。
「うわぁー。
それが自分のせいだと分かったのか、その人は
「あ‥‥‥あれぇー?? もしかして僕、お
静かなギルドの中に、その人の声だけが
すると、野次馬のうち1人が
「あ、あれはまさか……いや
Sランク冒険者のシュトラール様だ!!!!!!!!!」
「な、なにぃぃぃぃ!? 聖のウィザード。シュトラール様か!?」
「あの伝説のSランク冒険者がなぜここにぃぃぃぃぃ!?」
「うっっっっっそ!!
私、Sランクパーティー
まさかのSランク冒険者の登場。
俺を囲んでいた野次馬どもは
そして、
『シュトラール様』だと分かった
俺も、こんな状態でなければ興奮していただろう。
だが、たった今俺は追放されたばかり。
夢だったSランク冒険者になれなくなった今、その人を見ても悲しくなるだけだった。
俺は、
しかし、
それでも
「うわあぁぁ!!」
俺は、
そして、
ドンッ!!!!!
誰かに思いっきりぶつかり、転んでしまった。
頭を下げていたせいで、前が見えなかったのだ。
俺は、急いでぶつかってしまった人に
「す、すみません‥‥‥」
すると、
「あれぇー?? 君ぃ、大丈夫かなぁ? 立てるぅー?」
俺は運が良いのか悪いのか。
よりによって、シュトラール様にぶつかってしまったようだった。
しかし、シュトラール様はぶつかった俺に手を差し
そして、話かけてくれたのだった。
「君ぃー。お名前なにぃー?」
立ち上がる
(え? お、俺??)
俺は当然、
しかも、差し
そんな俺を、ニコニコと
さらに、それを見ているトテーボと
ギルドは再び静まり、不思議な空気が流れた。
だが、それも
「俺様はトテーボだぜ!」
「自分、ミーゴっす!」
「私はホアですわ!!」
「僕、カーバです!!!」
「アハハハハ! みんなぁ、元気だねぇー!」
(あ、なんだ……俺に名前を聞いたわけじゃなかったのか)
俺は、シュトラール様が自分に名前を聞いてきたと思った事が
(そうだよね……俺の名前なんて聞くわけがないか)
そう思った俺は、ギルドを出ようとした。
もう、ここにはなんの用事もないから。
そうして、立ち去ろうと思ったその時。
俺は
ハッと思い、手を放そうとしたのだが、なぜか手が
どんなに力を加えても
やはり
シュトラール様が、ニコニコしながら手を強く
「あ、あの‥‥‥すみません、手‥‥‥」
「んー?? なにぃ??」
シュトラール様はわざとか、俺の手を
(何だろう? なんで俺の手を放してくれないんだ?)
すると、それを見ていた
「おいてめー!! 早くシュトラール様から
「
「そうよ!! 私のシュトラール様に
だが、シュトラール様はそんな
もちろん、手は放してくれない。
「君ぃー! お名前はぁ?」
今度は、誰がどう見ても俺に話しかけてきている。
それに少しテンパった俺だったが、深呼吸をして心を落ち着かせて答えた。
「レオン・ノワールです」
そう言うと、シュトラール様の表情はパアっと明るくなる。
「そうかぁー! レオン君ねぇー! じゃあーレオッチだぁー!」
ウンウンとうなずくシュトラール様。
その光景に、さっきまでうるさかったトテーボと
俺も、意味が分からなかった。
(よ、よくわからない人だな‥‥‥)
俺は、そう思った。
だがシュトラール様は、俺が
「ねぇねぇ! レオッチさぁー。僕のパーティーに入ってくれないかなぁ??」
「……え!?!?」
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