掌空想小箱

紫宮月音

ばけのかわ

ある時貴方がいいました。


「仮面の下が見てみたい」


そんなもの見てもどうするのと私はたずねました。


こんなものより、あなたの方が綺麗なんだから。


「化けの皮なんて外してほしい」


貴方に私が告げました。


こんなもの、見たってよいことはないと貴方は笑います。



ガワがなんだって貴方はあなたでしょう

何が見えたって君はきみだろう



互いの皮を外そうとしたってうまくいきません


ひらり ふわり のらりくらりとかわします


「これからの話しをしよう」


先のことなんて あなたといる限りわからないのに?


どうしようもないくらい 何も考えられなくなる


「永遠に一緒にいてくれませんか」


付き合えるのならば棺桶の底まで喜んで


鐘の音が聞こえる 長い長い旅路の祝福に向けて

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