今日からの夏休みは、きっと


 両脇に並ぶ木々から、蝉時雨が耳を打つ。真夏の太陽も相変わらずだ。


「あっつ……」


 溢れる愚痴もいつも通り。学校もない、平坦な夏休み。


「久しぶり〜!」


 その時、明るい声が弾けた。声の方を振り向くと、


「お、おう」


 好きな人が、手を振っていた。

 ずっと静かだった心が、急に波打ち始めた。

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